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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第439話】
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らないが、身をすくませて手を引いた。

 俺の視線に気付くと、少し恥ずかしそうにしながらも、今度は手に触れないように受け取った――潔癖症なのだろうか、一応手洗いうがい等はちゃんとしてるのだが。

 缶ジュースを受け取った更識さんは、ゆっくり口を開く。


「有坂、くん。 ……今日はどう、したの?」

「ん、整備室に居るって訊いたからな、打鉄の完成状況も気になって様子見、とりあえず組むかどうかの返事はまだ貰ってないが、機体は前よりか完成してるのかなってね、どんな感じだ?」


 そう訊いてみると、僅かに表情を曇らせ、ゆっくりと口を開く。


「コアの適性値も、上がらなくて各駆動部の反応も悪い、の……。 OS、が合わないのかも……もしかしたら、他にも要因があるのかも……」


 何処が悪いのか、彼女としては今は袋小路に迷い込んだ状態なのだろう――俺自身、打鉄・弐式の事はあまり知らないから的確なアドバイス等はあまり出せないのが歯痒い。


「……色々思案しても煮詰まるから、これから部屋に戻ろうと思っ――」


 そう言いかけて言葉が止まり、目の前の更識さんの表情が変わると同時に足音が聞こえてきた。

 振り向くと、向こう側から一夏が歩いてくる――俺を見つけるなり、俺に手を振り、駆け寄ってきた。


「よぉヒルト、ヒルトもこれから整備室使うのか? ――って、君は……」

「………………」


 更識さんを見て思い出そうと頭を傾げる一夏、そして思い出したのか口を開く。


「あぁ! 確か四組の――初めまして、織斑一夏です」


 自己紹介する辺り、多少はまともかとも思うのだが、どうやら昨日楯無さんに言われた事は綺麗さっぱり脳ミソから無くなっているようだった。

 屈託のない笑顔の一夏を他所に、更識さんの表情はムスッとした表情のままだった。


「……知ってる。 そして、私には、貴方を……貴方を殴る権利が、ある」

「へ? えっと……」


 困惑した表情を見せた一夏、更識さんはそんな一夏に対して――。


「……殴る権利は、ある。 ……でも、殴れば疲れる、し。 ……貴方を殴っても、私の専用機が完成する訳じゃ、ない……。 だから、やらない……」


 そう言い、缶ジュースを一口飲むと顔を合わせないようにそっぽを向いた。

 だが一夏は、言われた意味があまり解らず、またも頭を傾げている。

 ……とりあえず、問題が大きくなる前に、一夏には用事を済ませてもらいたい。

 そう思い、俺は口を開いた。


「一夏、整備室に何か用があるんだろ、早く行った方がいいんじゃないか?」

「ん? いや、まあそんなに急いでた訳じゃ無いからな。 俺の白式、燃費
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