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無欠の刃
アカデミー編
卒業
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は、大の大人が身構えもなしに受けて、耐えきれるようなものではない。
 ぐふりと、ミズキが嗚咽を漏らし、思わず、前にかがみこむ。
 その隙を見逃さず、ナルトが、追撃を叩き込む。
 流れるように、ミズキの懐に入り。
 顎にアッパーを食らわせる。
 ミズキの体が、上に浮く。
 浮いた瞬間、ナルトの蹴りが脛に叩き込まれる。
 なすすべもなく、その衝撃でミズキの体が飛ぶ。
 その体が地面につくよりも先に、ナルトはミズキの腕を掴む。
 そして、地面にたたきつける。
 がんっ、という強い衝撃。
 ぐらぐらと、ミズキの脳を揺らし、そして失神する。

 「…ざまぁ、みろってば!」

 一連のナルトが見せた体捌きに、イルカは驚いた顔でナルトを見つめた。
 中忍であるミズキにそこまで綺麗に決められたのは、彼がナルトを見下し、油断していたからだろう。だが、それでも、大の大人を吹っ飛ばし、攻撃をきめて見せたナルトの体術は、すばらしいものがある。
 ナルトは未だに怒りを滾らせた目で、自分の姉を傷つけようとしていたミズキを睨み付けていたが、ぐふっ、というイルカの声を聞き、慌てて振り返る。

「カトナ、先生、大丈夫かってば!!」
「私は、平気。けど、先生が」

 おろおろと、目の前の、傷ついた教師を見ながら、カトナは背中を向けさせ、傷の具合を確かめる。中忍ベストがあったためか、そこまで深い傷ではない。臓器までは傷つけられていないようだ。だが、

「傷口が、青くにじんでる…毒」
「毒!?」

 …自分に使われた毒か! 瞬時にそれを察したカトナは、ポケットを探るが、解毒薬らしきものはない。即興で作るとしても、薬草がこの森にはない。カトナの場合は、経口から摂取したため、そこまで大事には至らなかったが、この様子だと血管から摂取してしまっている。
 毒の効果が、通常より早く回るだろう。最悪の場合、死に至らせてしまう。
 ぞっと、その予想に顔が青ざめ、カトナの手が震えた。
 なくしたく、ない。
 イルカの呼吸が荒くなる。死へと、一歩一歩近づく。

 ―なくさせない。

 カトナは拳を握りしめ、決断する。自分たち二人の秘密を、一気にばらしかねない決断をする。

「先生、内緒に、してね」
「…何を」

 そう言って言葉を続けようとしたイルカを無視し、カトナはナルトの掌を掴んだ。

 「ナルト、チャクラを貸して!!」

 その言葉に、何も言わず、条件反射のようにナルトは自らの掌にチャクラを纏わせた。
 姉のように上手く出来るわけではない。だけど、今は緊急事態だ。一刻も早くチャクラが必要となる。だから、いつもならば使わないあの力も混ぜて使う。青い、だけではなく、赤いものもいりまじった、歪なチャクラを、使う。
 それは…
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