リリカルなのは
我らは聖王の代理人その2
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たちの無事を確認して安堵の吐息をつくと。
アリサたちの側に立つ白衣の男を警戒するように包囲する。
ぴりぴりとした空気を察したアリサの反応は素早かった。
「やめて、この人はあたしたちを助けてくれたの!」
彼は味方だと、士郎たちに声をかける。
怪訝な表情を浮かべる彼らに、なのは、すずか、はやてもアリサと同様に、助けてくれたと話す。
ようやく事態を飲み込めた士郎は、得体のしれない男に話しかける。
「娘たちを助けてくれてありがとう。けれども、貴方はいったい……?」
「たまたま通りがかったので、助けたまで。では、私は失礼させてもらう」
その言葉と同時に、男を中心として風が渦巻く。
風の中には沢山の紙片が混ざっており、男を包み込むように舞う。
この場にいる全員が事態についていけない中で、唯一アリサだけが行動した。
「待って!貴方の名前を教えてッ!」
アリサをちらりと見やった男は何事かをつぶやく。
風が収まると男は影も形も消えていた。
誰もが呆然とする中で、アリサだけが、最後のつぶやきを聞いていた。
遠くからパトカーらしきサイレンの音も聞こえてくる。
最後に奇妙な出来事があったものの、とりあえずは、全員無事を喜んだ。
ただ、はやてだけは、何かをじっと、考え込んでいるようだった。
後日、アリサ・バニングスは、謎の男を探そうとする。
カソックに白衣という変な恰好をしているのだから、すぐに見つかるだろうと考えていたが甘かった。
教会の神父や科学者にも当たってみたが、まったく見つからない。
その場に残された紙片も解析してみたが何もわからなかった。
紙はただの紙であり、文字が書かれているだけ。
その文字もドイツ語に若干似ているものの、地球上のどの言語体系とも異なっていた。
「……アレクサンド・アンデルセン」
謎の男が残した名前をつぶやき、熱のこもった声を出す。
あれから、二年。
小学校3年生になった今でも探しているが一向にみつからない。
怜悧な表情と裏腹に、とても優しい眼をしていた。
颯爽と駆けつけて悪人をやっつけて、颯爽と去っていく。
まるで物語の中の王子様のよう――と考えたところで、恥ずかしさがこみ上げる。
何言ってるのよあたし、と一人突っ込みをしながらも、彼の姿が目に焼き付いて離れない。
はあ、とため息をつくと、ベッドに横になるのだった
◇
あ、あぶなかった。
はやてのデバイス型携帯(魔改造してある)から緊急連絡を受けた俺は、急いで現場に向かった。
現場に到着したとき、いままさにアリサ・バニングスが撃たれようとしていたのである
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