第二十話 錬金術その七
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「フリーよ」
「それでなんだな」
「街に出ない?」
ここで薊にこう提案したのだった。
「それで遊ばない?」
「いいな、じゃあな」
「ええ、何処に行こうかはね」
「街に出てからだよな」
「最近日曜は校内にいるから」
「動物園とか回ってな」
八条学園の中にある、だ。八条学園は様々な設備があり観る場所には困らない。それで薊も暫く動物園や水族館に行っていたのだ。
「それでな」
「そう、だからね」
「今日は街か」
「街に出て遊ぼう」
裕香はまた薊に提案した。
「そうしようね」
「よし、じゃあな」
「ええ、二人で遊びに行こう」
「他の娘にも誘いかけないか?」
薊は味噌汁、麦味噌の中に豆腐と若布があるそれをすすりながら裕香に提案した。
「午後は」
「菖蒲ちゃん達にも」
「ああ、そうしないかい?」
「そうね、二人でいても面白いけれど」
「賑やかな方がいいだろ」
「そうね、そっちの方がいいわね」
裕香は薊のその提案に笑顔で応えた。
「それじゃあ菖蒲ちゃん達にも」
「携帯で連絡してみような」
「そうしよう、御飯食べたら」
「まずはがっつり食ってな」
このことはいつものことだ、薊にとっては。朝からしっかりと食べるのが薊だ。
「それでな」
「それからよね」
「部活で汗をかいて」
そしてだった。
「シャワー浴びて昼飯食って」
「午後はね」
「街で楽しもうな」
こう話してだった、二人は午後の予定を約束した。それで菖蒲達にも携帯で連絡をした。
菖蒲は私服に着替えてやはり私服になった裕香と街に出た、だがいるのは。
「皆残念ね」
「ああ、二人だけだったな」
薊は寂しい笑顔で苦笑いの裕香に応えた。
「皆部活とか用事かよ」
「日曜なのにね」
「菖蒲ちゃんは練習試合か」
「菊ちゃんはお家の仕事の付き合いで」
それでまず二人がアウトだったのだ。
「桜ちゃんは茶道の習いもの」
「向日葵ちゃんは檀家の人のところに行って」
「菫ちゃんは前から予定が入っていた友達とツーリングか」
「鈴蘭ちゃん達も鈴蘭ちゃん達で二人で用事があって」
「先輩はな」
「その調べものでね」
いない、それでだった。
「おられなくて」
「そうか、じゃあな」
「私達二人でね」
「遊ぼうか。それじゃあどうしようか」
「カラオケ行く?」
裕香はこう薊に提案した。
「それかゲームセンターか」
「ああ、あそこか」
「そう、スタープラチナね」
駅前のカラオケボックスやゲームセンターがあるビルにだというのだ。
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