第6章 流されて異界
第98話 ここは文芸部?
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純なルールに支配された物などではなく、地球世界の二十世紀に生を受けた魂が、次はハルケギニア世界の始祖降誕の時代に生を受ける可能性もあると言うルール。
たったひとつ。ひとつの世界の同一の時間内に存在出来る同一の魂はひとつだけ。このルールに抵触しない限りは、どんな可能性もゼロでは有りませんから。
もっとも、そのルールにしたトコロで、未だ確認されていないだけで、同一時間、同一世界内に、同じ魂を持つ存在が二人以上同時に存在出来る世界が有ったとしても不思議ではないのですが。
……ただ、そんな世界はタイムパラドックスや時間遡行型の犯罪者が横行して居て、世界の危機が連発。平和な世界を維持する事だけでもかなり難しい世界だと思いますが。
何故ならば、たった一人。不慮の事故で死亡する予定の人物。天命で死すべき事が決まっている人物を存命させるだけで、世界自体がその未来で崩壊する事が確定する可能性だってゼロではないのですから。
百年どころか、千年、万年単位で出て来る影響だって有ると思いますから……。
「じゃあ、私はお茶の用意をして来ますね」
俺の思考がかなり別方向にトリップしている間に、最初に声を掛けて来たのであろう少女。栗色の長い髪の毛を持つ少女が自らの荷物……おそらくお弁当の入ったと思しき巾着を机の上に置いてから、そう話し掛けて来た。
……いや、別に俺個人に話し掛けて来た訳ではないのでしょうが。
「あ、いや、取り敢えず……」
そのまま、何故かお茶の用意をしに行こうとする栗色の髪の毛の少女を呼び止める俺。
……と言うか、部屋に入って来て荷物を置いた途端にお茶の準備って。
一応、この少女に関しても資料に入って居たのですが、そんな事はオクビにも出す事もなく、
「初めまして。今日、一年六組に転校してきたばかりの武神忍と言います。以後、宜しくお願いします」
当たり障りのない没個性の自己紹介を行って置く俺。
実際、この娘たちとの関係。特に、この女生徒との関係は築かない可能性の方が高いですから、この程度の挨拶で十分でしょう。
少なくとも彼女に関しては、ハルケギニアでも、更に元々俺が暮らして居た世界の方でも出会った記憶は有りませんから。
「あ、はい。涼宮さんから話は聞いて居ます」
そう答えてから一度俺を見つめるその三人目の少女。そして二、三度瞬きをしてからもう一度、しっかりと俺を見つめ直す。
一瞬の奇妙な空白。何か理由の分からない空白ですが、彼女から発して居るのは疑問。そして、その表情も何かを思い出そうとしているかのような表情。
う〜む、何だか分からない状況ですが……。
しかし、互いに見つめ合ったまま動かない状況では話が先に進まない事に気付いたのか、未だ完全に疑問を払
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