第6章 流されて異界
第98話 ここは文芸部?
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
された資料によると彼女の名前は相馬さつき。関東圏にある古い血の一族の姫。
彼女は元々、涼宮ハルヒ関係の事件を解決する為にやって来た術者。どうやら、長門さんとの間に何か有ったようなのですが、それでも以後に和解。……と言うか、長門さんは危険な相手ではないと認識して以後は無視。現在は、俺や長門さんと同じように一年六組にて涼宮ハルヒの監視を行って居るようです。
もっとも、それが相馬の家だけの目論みなのか、それとも地祇系のそれなりの組織の目的なのかは判らないらしいのですが。
明治以後、国の支配権を完全に天津神系に明け渡した地祇系は地下に潜って仕舞い、その中心となる強力な勢力が存在しない事から……。
すべての動きを把握する事はかなり難しい状態。正に八百万の神々と言う表現に相応しい状態と成って居ます。現在の日本と言う国は。
ただ……。
ただ、俺は彼女の事も知って居ます。確かに、相馬さつきと名乗っている、見た目小学校高学年程度の少女に関して、今生では初見です。
しかし、別の世界では……。
「なんや、万結にさつきは先に来とったのか」
確かに四時限目の授業が終わってから、途中で少し寄り道をしてここにやって来た為に、先に辿り着いた人間が居たとしても不思議ではないのですが……。それでも余りにも早い到着に少しの驚きを含んだ言葉でそう聞く俺。
同時に、机の上に買い占めて来た大量の菓子パンと飲み物を置く。
そう、これが本日の俺と長門さんの昼食と言う事。本当ならば弁当を用意した方が良いのですが、朝の時間と言うのは貴重。一分でも、一秒でも余分に寝て居たい俺としては、弁当を作る時間さえもったいない、……と考える人間。こんな妙な事に巻き込まれなければ学食で温かいご飯を食べて居た頃なのですが。
ハルヒから部室に呼び出しを受けるぐらいなら、不良に体育館の裏に呼び出される方が百万倍マシ。不良の方なら、軽く撫でてやれば以後、手出しはしなくなるはずです。しかし、流石にハルヒを軽く撫でてやる訳にも行かないので……。
物理的に。本当の日本語の意味通りに彼女の頭を撫でてやったら、何するのよ、と言って殴り返されるのがオチですから。
「万結とさつきも飯が未だやったら、菓子パンで良ければ一緒に食べへんか?」
万結に付いては最初から。さつきはそのついでなのですが……。それでも、この場に来てから急に思い付いたような自然な流れでそう話し掛ける俺。
それに今日の午前中、彼女……万結の事を観察して感じたのは――何と言うか長門さん以上に実在感の薄い彼女に関しては少し気を掛けてやる必要があるんじゃないかな、と言う事。
片やさつきの方は、食事と言うのは単なる栄養補給の為の手段と考えて居る
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ