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機神呼嵐デモンベイン
第二部『The OMEN 〜魔神降臨!大導師、マスターテリオン登場だゾ!〜』
第7話「ライバルとの初戦闘は、大体が負けイベント」
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頭に血が上って思わず叫んでしまう。
「ここまでやっといて帰るだと!?ふざけんじゃねぇ待ちやがれ!!!」
「弱いまま貴公を倒してもつまらぬからな。待ってもいいが、リベル・レギスならデモンベインなど屠るのは赤子の手を捻るより簡単だ。それでも良いのか?」
 言葉と共に、マスターテリオンのオーラが突風のようにオラを威圧する。ビリビリと肌を刺すようなプレッシャーに、オラは只黙ってみているしかなかった。
「次に会う時は、余を失望させてくれるなよ。・・・さらだばー」
「それを言うならさらばだです。マスター」
 短い漫才をした後、マスターテリオンとエセルドレータは、リベル・レギスと共に去っていった。



「・・・」
「・・・」
 マスターテリオンが去った後、オラとアルはデモンベインのコクピットの中で、呆然としていた。肉体が色々と悲鳴を上げているが、そんなのは些細な問題だ。
 ・・・勝てなかった。オラはマスターテリオンに歯が立たなかった。・・・いや、元からそんなラインに立っていなかったんだ。アイツは、オラの前に現れて圧倒的な力を見せ付けて帰って行っただけだ。
「・・・ッ」
 悔しさで涙が溢れてくる。オラはその涙をぬぐわず、アルに問いかける。
「なぁ、アル・・・」
「何だ?我が主よ・・・」
 瞼を閉じれば、あのマスターテリオンの笑みが脳裏によみがえる。あの邪悪さにオラは震える声をつむぐ。
「何だよ・・・アレ・・・?あんなのアリなのかよ・・・?」
「これが、我等の限界だ。妾は魔導書として不完全であり・・・汝は、敵と戦うには余りにも未熟だ」
「・・・それでも、オラなのか?・・・ふざけんな、何でオラなんだよ。オラ以外にも居るだろうが!オラなんかよりも優秀な魔術師が!!!」
 涙を流しながらオラはアルに言う。声を荒げて。
−逃げるのか!?
 頭に響くのは昔のオラの声。・・・オラは逃げ道が欲しいんだろうか?
「それでも、汝なのだ!妾と魔力の波長が合い、邪悪に染まらぬ者・・・他を探している時間も余裕も無い」
 アルが断言する。
−助けを求める人に見てみぬフリをして逃げるのか!?
「・・・だけど、オラはこのザマだ。ぶちギレて突っ込んで・・・あっさりとやられて。・・・そんなオラでもいいってのか?」
 自嘲気味にアルに言う。・・・オラは逃げ道が欲しいんだろうか?・・・それとも・・・、
「ならば、強くなれ!野原神之介!マスターテリオンを放っておけば、今日の様な事が必ずどこかで起こる。いや、今もどこかで泣いている者もいるだろう。誰かが苦痛に涙を流す。誰かが悲痛に血を流す。誰かが邪悪に命を流す。邪悪を知り、それと戦う力を得、それでも汝は見て見ぬフリをするのか?」
−逃げるなんて、許さないゾ!!!
 こういう風に、逃げ道を潰して欲しかった
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