目覚める力
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た。
(…グラウアッシュ……どうして7年前姿を消したの?私、ずっと探してたんだよ?)
―ごめんなさい、それは言えないの。でもね、ココロ。貴女の事が嫌いになった訳じゃないわ―
低めのハスキーな声は、7年前の最後の日と何も変わっていない。
物心ついた時から傍にいたグラウアッシュの声だった。
先ほどまでの動揺がゆっくりと落ち着きへと変わる。
(でも…何でここに?)
―ここは星竜シュテルロギアの加護を受ける土地。彼女の御魂がいる場所なの。普段は人間にあまり興味を示さないのだけれど、旧友である私の娘の危機を黙って見ていられなかったみたいね。すぐに私に知らせて、声だけ届くようにしてくれたのよ―
(声だけ……そっか)
ここにいる訳じゃない。ただ、念話のように声だけが頭の中に響いている。
寂しさが込み上げてくるのを誤魔化すようにココロは拳を握りしめた。
―それでね、ココロ……貴女、滅竜魔法を失ったでしょう?―
(!……うん、ごめんねグラウアッシュ。私……)
―謝る事は無いわ。貴女が滅竜魔導士でなくなる事は解っていたから―
何を言っているのか、一瞬解らなかった。
彼女に滅竜魔法を教えたグラウアッシュは、ココロが滅竜魔法を失う事を解っていたと言った。
言葉の意味を理解したと同時に、ココロは声に出さず叫ぶ。
(それじゃあどうして私に滅竜魔法を教えたの!?それより何でそれを知ってるの?何で……)
―シュテルロギアが見た未来よ。その通りになるとは思わなかったけど……―
困ったように呟く時、グラウアッシュは目を伏せる。
きっと今もそうなんだろうな、と思いつつ、ココロは息を吐いた。
深呼吸をすると頭に少し余裕が出来た気がした。
―私が貴女にこうして語りかけているのはね…貴女の新しい魔法を教える為―
(え?)
―彼女……シュテルロギアは言ったわ。“娘に言葉を繋げてやる。娘の新たな魔法を教えよ。そして…時を超えし我が巫女を救え。救えぬと言うのなら、妾は力を貸さぬ”って―
我が巫女、というのはティアの事だろう。
時を超えし、というのが何かは解らないが、今はそれを気にしている程の余裕がない。
―ココロ、落ち着いてよく聞いてね―
ゴクリと唾を呑み込む。
胸辺りで手を組み、聞き逃すまいと耳を澄ます。
―貴女の新しい魔法は――――――……―
「……そっか」
聞こえた新しい魔法の名は、不思議としっくりきた。
初めて聞く名であるハズなのに、昔から知っていたかのような。
閉じられていた蓋が開いて中身が零れるように、力が全身を駆け巡る。
足りなかった部分が補われ、魔法を奪われる前のココロ・アーティリアが戻って
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