マクロスF
0724話
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マクロス全体が光り輝いているかのように。
「何が起きてるのかは分からないが、ギリギリ間に合ったか。で、アンノウンは」
光り輝いているマクロスのデータを一応保存してから周囲の状況を探る。だが、アンノウンの姿はどこにもなく、ただ、背後のマクロスが光り輝いているだけだ。
「いない、どこに行った?」
勿論、今の状況でアンノウンと戦うのは避けたいから個人的には嬉しいんだが……そんな風に思った時。
「アクセル!」
再び背後から聞こえて来るシェリルの叫び。
咄嗟にファイターの機首を返すと、映像モニタに映し出されたのはジャングルの中に崩れ落ちるといった表現がピッタリだったマクロスが光ながら浮かび上がり、次第に崩れ去っていく光景だった。
そして土煙が消え去った後に残ったのは……
「バジュラ艦……か」
マクロスの中に女王級と思われる存在がいた以上、おかしくないのかもしれない。
だが、それはあくまでもバジュラ艦が1隻だけだった場合だ。
しかし、今VF-25Sの映像モニタに映し出されているのは10隻以上のバジュラ艦の姿。
「バジュラの増え方か」
「ちょっと、どうするの? このままだとグレイス達が……」
自分のマネージャーが心配なのだろう。思わずといった様子で心配の声を上げるシェリル。
だが、その選択も悪くは無いか。ここにいるバジュラに対抗するのは幾ら何でも俺だけでは到底無理だし、それ以前にシェリルを乗せたままでは機体の性能を十分に発揮出来ないのだから、向こうに一旦シェリルを預けた方がいいのは間違い無い。
だが……
「ア、ア、アクセル!?」
三度シェリルの悲鳴のような声が響く。
その声は、これまで聞いた中で最も切迫している声。
そちらへと視線を向けた俺が見たのは、急激に広がっている黒い球体のような何かだった。
いや、何かではない。VF-25Sのコンピュータの判断によれば、あの黒い球体はフォールドエネルギーによって生み出された疑似ブラックホール。その疑似ブラックホールが広がり、海兵隊の基地や戦艦をも飲み込んでいく。
「グレイスーッ!!」
後ろでシェリルが叫ぶが、既にグレイス達は勿論、海兵隊の基地までもが疑似ブラックホールに飲み込まれている。しかもそれで収まることなく急激に膨張している疑似ブラックホールは、俺の方へと向かって迫る。
「ちぃっ!」
慌てて機体の機首を返し、エンジンを全開にして距離を取ろうとするが、疑似ブラックホールの膨張は止まらずに、まるで星その物を飲み込むかのように広がって行く。
そう、まるで星を喰らい尽くすかのように。
「グレイス……そんな、嘘、嘘よ!?」
背後で思わず泣き叫ぶシェリルの声を聞きながらも、
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