マクロスF
0724話
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RVF-25を下回っていることが前提だ。そうは思いつつも、俺はその辺の事をあまり心配はしていなかった。
実際にアルトの試験の時、ルカは俺を見つけ出す事は出来無かった。そして幾らアンノウンの性能が良くても、さすがにレドームを装備したRVF-25程ではないと思っていた為だ。
案の定……
「何で向こうはこっちを見つけられないの?」
ガウォークに変形してビルの陰に隠れているVF-25Sを見つけた様子の無いアンノウンを眺め、シェリルが尋ねる。
「ステルス装置のおかげだよ。この機体はかなり強力なステルス装置を積んでいてな。その点に限って言えば純粋な機体性能はこの機体よりも上のアンノウンの数段上を行く」
……もっとも、これはあくまでもステルス装置のみに限った話だ。戦闘になれば、ノーマルのVF-25Sである俺に勝ち目は薄い。
となると、ここから取れる手段はそう多くはない。
1つ目は、アンノウンの隙を突いて攻撃する。撃破出来れば追撃の心配はいらないし、アンノウンの正体も判明するかもしれない。不安要素としては機体性能の差と、シェリルの存在か。
2つ目はさっさとここから逃げ出す。ステルス装置がある以上、追ってこられる可能性は少ない。海兵隊の基地まで撤退に成功すれば戦力的には逆転する。だが、それでも確実とは言えず、追撃されれば勝ち目の低い戦いに突入する事になる。
3つ目。このままここに隠れる。まさかアンノウンにしても、折角姿を眩ましたというのに逃げずにその場に残っているとは考えないだろう。灯台もと暗しというか、盲点を突いた選択肢だ。不安要素は2つ目と同じ。それと、ここがバジュラの巣である以上は、何が起こるか分からないといったところか。
それらの選択肢を頭の中で考え、最終的に選んだのは3つ目の選択肢だった。
俺だけなら1つ目、あるいは2つ目でもよかったのだが、何しろシェリルがいる以上は無茶できないしな。
「アクセル? どうするの?」
「取りあえず、上手い具合に向こうはこっちを見失っているらしいからな。このままやり過ごす」
「……大丈夫?」
「幸い、ステルスに関しては向こうよりも上だからな。ここで迂闊に動いて、奴の注意を引くのは避けたい」
「……ごめんね、あたしのせいで」
自分の存在が原因で現在の状況を打破出来ないのを理解しているのだろう。ポツリとシェリルが呟く。
「気にするな。そもそも、お前を連れてくると判断したのは俺なんだからな。お前が悪い訳じゃ無い」
「でもっ!」
更に言い募るシェリルだが、ここでシェリルに罪悪感を持たれるというのはちょっと面白く無い。それに、確かに打てる手は無いが、絶対確実に何も無いという訳では無いのだ。それこそ空間倉庫なり魔法なりを使えばこの程度はどうとでもなる。
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