憎悪との対峙
32 不安定な信頼関係
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ダストも納得した。
このタイミングは完全に5時ジャストという小学生でも守れる時間割のような作戦のようだったが、人質を最初から見捨てているなら話は別だ。
そしてシドウも自分と同様で今のWAXAの方針には否定的、そして学校の裏事情、Valkyrieとは敵対する立場だと理解できた。
「これを」
「これは...?」
スターダストはメリーに背負わせたバッグの中からメモリーカードと美緒のLumiaを渡した。
Valkyrieに対抗するならWAXAが動いた方がやりやすい。
「レンタルサーバーを使っている機関や企業、個人のリストに今回の事件に関わってるValkyrieのデータ、あとは高垣の端末だ。捜査に役立つはずだ」
「いいのか?」
「別にお前を助けようってわけじゃない。お喋りしている時間も惜しい...ここを出たらグラウンドに急げ。可能な限り陸上トラックの中央...サッカーグラウンドだ。校舎の立地からして狙い撃ちには出来ないし、あの広さならヘリも着陸できる。そこで待機だ」
「お前は?」
「上だ。これは取引だ。僕が人質たちを助ける。お前がメリーを助ける。僕はお前たちとは違う。1人だって犠牲にしない、全員助けて見せる!!だからお前もヒナを絶対に助けるんだ!!」
その言葉を聞いてシドウは自然と嬉しくなった。
自分や自分たちを迫害するWAXAに対しての怒りとは裏腹に彩斗の心の強さは変わっていなかった。
そして嫌っていてもメリーを助けるためとはいえ、自分を頼ってくれたことに。
苦しんでいるメリーを抱え、スターダストから奪われた銃を拾い上げる。
「よし...カウント3で行こう」
「3...2...1...GO!」
スターダストはそのカウントとともに扉を開けた。
そしてシドウが飛び出し、銃を向け、ホールを見渡した。
しかしその銃口に対して帰ってきたのは殺気を帯びた視線だった。
「...WAXAも警察も税金泥棒だね...指揮官も無能なら兵隊も無能過ぎる」
スターダストはその光景に思わず裏声にすることも忘れ、呆れ果てた。
「侵害だな、一緒にするな...次の仕分けで仲良く予算削減は避けられんだろうが...」
シドウもその光景に驚きを隠せなかった。
上の階に向かったはずのWAXAと警察の隊員がホールに落下、かすり傷で済んだ隊員たちも今、まさにジャミンガーの大群に殺されかかっている。
正直、スターダストもここまで多くの敵が潜んでいたとは全く想定外だった。
ウイングブレードを構え、シドウの前に立とうとする。
しかしシドウはスターダストを腕で静止し、首を横に振り、左腕にトランサーを装着すると一歩前に出た。
「行け、ここはオレが」
「お前...まさか」
「アシッド!」
『ハイ』
シドウは
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