第四章『白玉楼』
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ら」
面倒臭そうに立ち上がる。
「お前!今仕方ないからって言ったろ!」
「ナンノコトカナー?」
(こいつ・・・・)
微かに殺意が芽生えた風であった。
「ほい、武器」
零はいつ手に入れたか(気にしたら負けだぞ☆)、その手にはよく時代劇とかで見るような日本刀を風に投げ渡す。
「おまっ!状況をよく考えろよ!下手すりゃぁ妖夢に妨害されるだろ!」
「いや、寧ろそっちが狙いwwwみたいなwwwwww」
無表情でさらりとひどいことを言う零。
「させるかっ!」
案の定、零の投げた刀に気が付いた妖夢はそれを楼観剣で弾き飛ばす。
ああ、これで俺の戦う術は無くなった・・・・・と風は思った。
刀は風のいる場所とは反対方向に飛んでいってしまった。
「これで終わりだ!」
妖夢が風を追い詰める。
「くっ!」
取り敢えず自分の身を守ろうと腕を前で交差させる。
「無駄だ!」
妖夢の声が間近で聞こえた時、俺はもうだめだ、と風は諦め瞳を閉じた。
がその時。
バチバチッ!!
「な・・・に・・っ!!」
何かが放電した様な音と妖夢の苦痛に耐える声が聞こえて、風は閉じていた瞳を開けた。
すると目の前には黒い煙を立ち上がらせていた妖夢が風から少し離れた所で片膝を着いていた。
「え?何が起きた?」
「くっ、お前能力を持っていたのか」
妖夢が何を言っているかまるで理解できていない。状況の説明をしてもらおうと零の方を見る。
「お前はおそらく能力が覚醒したんだ。うん」
と、不満そうではあるが納得をしている。
「能力?」
「そう。お前は雷を操る程度の能力らしい。多分、危険を察知して無意識のうちに使ったんだろうな」
零にしては珍しく真剣な眼差しで分析をしている。
「くっ!」
ダメージが大きいのか、よろけながらゆっくりと立ち上がる妖夢。
「まさか能力が使えたとは・・・。しかもこれほどの威力とは、油断した」
どうやらまだやる気のようだ。いくら能力が覚醒しても自分の思い通りに使えるわけがなく、また妖夢の猛攻を避ける羽目になってしまった。
「そろそろ止めなさい、妖夢」
と、不意に別の場所から女性の声が聞こえた。
「しかし幽々子様、この二人は白玉楼に勝手に侵入してきたんですよ?」
幽々子様と呼ばれた女性はゆっくりとした足取りで妖夢の隣に行く。
幽々子は風の前で立ち止まる。見た目はおっとりしていて、ピンク色のショートヘヤーが特徴的だ。それに幽霊が被っていそうな三角形のハチマキもどきをつけた帽子を被っている。その三角形の真ん中に渦巻きが書かれている。
「悪いわね。うちの妖夢が迷惑をかけたみたいで」
幽々子は妖夢を無視して二人に語り掛けた。
「いえ、妖夢の性格じゃ仕方がないですよ。少なくとも
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