アカデミー編
封印術
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も乱すことはできない。
ただ、黙々と、淡々と、その行為に集中し続ける。
カトナの集中力は凄まじいものだ。一度、これと決めたものが果たされるまでの間、彼女の集中力は乱れない。たとえ攻撃を受けたとしても、例え罵詈雑言を吐かれたとしても、彼女の集中力は乱れない。唯一乱れるとするならば、それはナルト関係だけだ。
そしてそれは、唯一明確な、弱点となる。
がさりと、近くの茂みを踏む足音が聞こえた。
その音に反応し、ナルトの体が、うごく。
その反応に、カトナの集中力が、刹那だが乱れた。
指が、ずれ。
チャクラコントロールが乱れ。
焼き付くような痛みが、業火に焼かれる痛みへと変わる。
小さなうめき声が、彼女の口から洩れる。
音を立てた人物が、彼女の声に反応し、近づいてくる。
すぐさま、それに気が付いたカトナは直ちに首から指を離して、ばっ、とナルトとその巻物を木陰に隠すと、身をひそめる、ふりをする。
数秒の間の後、カトナの体に蹴りが叩き込まれる。
「なんでここにいやがんだよ、九尾の化け狐よぉ!」
「…弟を騙した、のは、あんた、か」
ごほっごほっとせき込みながらも、蹴られた衝撃を旨く利用し、木から落ちてゴロゴロと地面を転がる。まるで役者のようにわざとらしく、注意を引きやすいように大げさに、上にいるナルトには決して気が付かせぬようにと、カトナは目の前の男―ミズキを睨み付けた。
ミズキはにやりと笑いながら、真実を知ったカトナに対して見下すような目を向ける。
「はっ、あのオツムの出来が悪い弟比べたら、ずいぶんましだなぁ。おっと、逃げようとしても無駄だぜ。お前も弟も、俺は殺すつもりできてるんだからなぁ!」
「…ばか、らしい」
びくりと、ミズキの顔に青筋が浮かんだのを見ながら、カトナは、やれやれというポーズをとった。 逃げようというふりをしているものに向かって言うならまだしも、逃げるどころか、その場で動こうとすらしていないカトナに向かって言うなんて…意味が無さすぎる。
こいつはあほかと、思わず素でそう感じたカトナの呆れたような視線に、短気なミズキはキレた。
「そんなに今すぐ死にたいっていうなら、今すぐ殺してやるよ!!」
そんな言葉と共に投げられた手裏剣は、直情的かつ直線的で、分かりやすいものだった。挑発した甲斐があったと思いながら、カトナはその、予想通りに投げられた手裏剣をよけようとし、体にまた痛みが走り、一瞬だけだが固まる。
そしてその一瞬は、致命的だった。
カトナは必死に体を動かそうとするが、もう遅い。手裏剣は、後一秒もあれば、彼女の体を刺し貫くだろう。
覚悟を決めて、せめて急所は外そうと体をひねったカトナの視界に、影が走った。
一拍の間の後、カ
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