マクロスF
0723話
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ラグだったのだろう。飛行ユニットを噴射した途端、グリンとばかりに女王バジュラの視線がこちらへと向く。そう、まともに視線があったのだ。
「っ!? ちぃっ! シェリル、急ぐぞ!」
「え、ええ!」
シェリルに声を掛け、飛行ユニットを全開にして上へ、上へと昇っていく。
もう出来るだけ音を殺してとか、そんな風に言っていられるような状況ではない。
「アクセル、下からバジュラが……」
「くそっ、やっぱりこのまま見逃してはくれないか。けど、この穴の大きさだぞ?」
機動兵隊バジュラでも、大きめの個体では入って来る事は出来無い大きさ。だが、向こうにしてもそれを承知しているのか、追ってくる個体は小さめの者で構成されている。
「シェリルッ、取りあえず奴等を牽制する。銃口を下に! 当たらなくてもいいから、とにかく撃て!」
「任せなさい! あんなバジュラなんか、あたしが撃ち落としてやるんだから!」
その言葉と共に、下へと向けられた銃口のトリガーが引かれる。
縦穴の中が狭い故にガガガガッ、という射撃音が辺り一帯に響くが、幸いな事に俺のEX-ギアもシェリルのパワードスーツも、その辺の防護はしっかりしているので問題は無かった。
そしてシェリルが撃った銃弾も、ある程度の牽制にはなったらしい。あるいは、卵のある場所から俺達を追い払っただけで良しとしたのかもしれないが、とにかく穴から出て最初の研究所に戻った時には既に背後から追ってくるバジュラはいなくなっていた。
「シェリル、このまま機体のある場所まで戻ってオゴダイに連絡を入れる!」
「分かったわ!」
俺の言葉にシェリルが頷き、そのまま研究室の中を通り抜け――幸い、標本の件については見られなかった――研究所の外に出て、コックピットへと搭乗して機体を起動させる。
だが、次の瞬間……念動力が危険を感知し、殆ど反射的に機体をガウォークのまま上昇させる。そして、一瞬前まで機体のあった場所へと着弾するビーム。
「ちぃっ!」
「きゃあっ!」
俺は突然の攻撃に舌打ちをし、同時にシェリルはいきなりの機体の挙動に悲鳴を上げる。
そしてVF-25Sの映像モニタに映し出されたのは……
「またお前か、アンノウン!」
赤紫の機体色をした、どこかVF-25に似た機体の姿だった。
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