第九章
[8]前話
「日常とは無縁の男だ」
「確かに日常の世界の人間ではないですね」
「彼は裏の世界の住人だ」
裏にも色々とあるがだ。
「会う機会は非常に少ない」
「本当に二度と会わないことを願います」
「その通りだな、それではだ」
「はい、それではですね」
「今夜どうだね」
ここでも若い男を誘う彼だった。
「丁渡十二月だ、ジングルベルを聴き歌いながらだ」
「何をするっていうんですか」
「ははは、決まっているだろ」
年配の男は若い男を好色そうな笑顔で見ながらこう言った。
「愛し合おうじゃないか」
「僕結婚したんですけれど」
「俺が君を奥さんから寝取ろう」
堂々とした宣言だった、実に。
「君自身をな」
「遠慮します」
若い男はすぐに答えた。
「絶対に」
「おいおい、つれないな」
「ですからそういう趣味はないですから」
「そうなのか」
「はい、ですから」
彼の誘いもというのだ。
「そういうことはハッテン場で他の人に言って下さい」
「そうか、では仕方ないな」
「というか本当に若い男がお好きなんですね」
「ああ、大好きだ」
「そんなにいいんですか?」
「ははは、それは一度味わってみればわかる」
年配の男は実に楽しそうに笑いながら語る。
「あのよさは一度知れば病み付きになる」
「ですから興味がないですから」
「興味が出たら何時でも声をかけてこい」
「絶対にないですから」
そういうことはというのだ、何はともあれブリーフ13は依頼を無事成功させた。そして何処かへとその格好のまま去るのだった。
究極変態スナイパーブリーフ13PART2 完
2014・8・31
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