第七章
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「従軍慰安婦に強制性はあったか」
「なかった、あれは応募してだ」
「村の娘を日本軍を攫ったのではないのだな」
「日本軍はしていない」
餓村は真実を言った。
「浅墓新聞は事実を捻じ曲げて書いたのだ」
「それは本当だな」
「嘘じゃない、本当だ」
尻とブリーフの汚れへの恐怖が彼に言わせていた。
「当時の社長の指示だった」
「貴様は命令されていただけか」
「いや、私もだ」
餓村自身もというのだ。
「私も妻が団体の長の娘だ、それでだ」
「その縁でか」
「あえて書いた、監獄側の有利になる様にな」
「監獄ではないな」
「喜多挑戦だ」
紛れもなくこの国の、というのだ。
「指示でだ、私も社長も書いたのだ」
「日本を貶める為にか」
「そうだ、芳田政治という男がいたな」
「職業的詐話師だな」
「あの男が島で慰安婦狩りをしたと言っていたが」
「それが嘘であることはもうわかっている」
そこでその問題をだ、ブリー13は問うた。
「何故あの男を出したのかだな」
「決まっている、この国を貶める為だ」
「何故貶めようとした」
「その国の歴史を貶めそして国民に恥辱を感じさせ」
そして、というのだ。
「そこからどうするかを見せてこそ革命が成るのだからな」
「共産主義革命か」
「我々は今も目指しているのだ」
この国においての共産主義革命をというのだ。
「共産圏はなくなった、しかしだ」
「それを目指すが為にか」
「そうだ、私達は従軍慰安婦の記事をでっち上げてだ」
そのうえで、だったというのだ。
「この国を貶めたのだ」
「会社ぐるみの行動だな」
「その通りだ」
「では罪は貴様だけではないな」
「私は実行犯だ」
「社長他上層部もか」
「皆知っていた、政治家の譜久島も辻井もだ」
所謂市民派の女性政治家達である、その背後は以前よりとかく言われている。
「あの連中も真実を知ったうえでだ」
「行動していたのだな」
「そうだ、全てだ」
「嘘であると知りながらか」
「我々はキャンペーンを張ったのだ」
革命の為に、というのだ。
「我々はな」
「まだ言うべきことはあるか」
「まだだと」
「隠していることはあるか」
洗いざらい吐かせるのだった、餓村に。
「慰安婦のことで」
「まだか」
「会社ぐるみの捏造、喜多挑戦や監獄との関係といったことはわかった」
そういったことはというのだ。
「まだあるか」
「社員は全て知っていた」
餓村はこのことも吐いた。
「記者達はな」
「知っていて隠していたのだな」
「このことは企業秘密だった」
「それも絶対のだな」
「だから言える筈がなかった」
それこそ誰にもだ。
「私も言わなかった、今の今まで」
「社外や愛人達にはか」
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