第六章
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「そうだな」
「その証拠はあるのか」
「御前の頭の中にある」
その餓村の中にというのだ。
「間違いなくな」
「私がそのことを言うと思うのか」
「この言葉を知っているか」
ブリーフ13はその鉄仮面の様な表情のまま言う。
「鳴かぬなら」
「鳴かせてやろうか」
「そうだ、不如帰だ」
「豊臣秀吉か」
「俺はこの主義だ」
つまり相手が黙っているのなら吐かせるというのだ。
「そのことを言っておく」
「残念だったな、私は何があろうと言わない」
何もとだ、餓村は強がりそのものの笑みを浮かべてブリーフ13に返した。居直ってベッドの上にブリーフ一枚で胡座をかき腕を組んでの言葉だ。
「決してな」
「その言葉一時間後には消えている」
「私が言うというのか」
「そうだ、御前は絶対に吐く」
断言であった、この言葉も。
「俺の尋問の前にな」
「ではどうするつもりだ」
「こうする」
また一言で言ってだ、そしてだった。
ブリーフ13は餓村に背を向けた、もっと言えば尻をだ。
白ブリーフに覆われた尻は見事に引き締まっている、常に鍛えられているのがわかる。だがそのブリーフの後ろはというと。
茶色く、黒く汚れていた。その二色の筋が幾つもあり黄土色の滲みが拡がっている。餓村にその尻を向けてだ。
そしてだ、こう言うのだった。
「見えるな、俺の尻が」
「何という汚い下着だ」
「よく見ることだ」
その汚れた白ブリーフをというのだ。
「この尻をな」
「見たくもない」
そのあまりもの汚い白ブリーフをというのだ。
「誰が見たいものか」
「ではだ」
こう言ってだ、そしてだった。
ブリーフ13はだ、ここでだった。
餓村にだ、尻を思いきりぶつけた。後ろに跳んで。
そして餓村のその顔を尻と尻の間に挟んだ、その汚れきった白ブリーフで。
その攻撃を受けてだ、餓村はというと。
「!!!!!!!!!」
その尻と尻の間に顔を挟まれ悶絶した、あまりにも衝撃的な攻撃だった。
しかもそれは一度や二度ではない、何度もだった。
何度もその恐怖の攻撃を受けてだ、悶絶し。
そのうえで地獄に落ちそうな気持ちになりだ、意識朦朧となった。
その彼にだ、ブリーフ13は向かいなおって再び問うた。
「言う気になったか」
「・・・・・・・・・」
餓村は黙っていた、いや違った。
気を完全に失っていた、あまりもの衝撃の攻撃に。完全に白目を剥き口から涎を出して廃人寸前になっている。
だがブリーフ13は彼にだ、再び問うのだった。
「言わなければもう一度するが」
「ひ、ひいっ!」
ブリーフ13のその言葉に恐怖により意識を取り戻した餓村だった。それで蒼白になって叫び声を挙げた。
「い、嫌だ。あれだけは!」
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