暁 〜小説投稿サイト〜
闇を祓う者〜他人の恋愛見てニヤニヤし隊〜
原作開始前
喪った者と手に入れたモノ 
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その隙は大きなものだった。

「おらぁ!」

 ユーナが焔を飛ばしてきた。そんなこと出来たのか! 俺は咄嗟に避けた。避けてしまった(・・・・・・・)。その時だった。

「きゃああああ!」

 後ろから悲鳴と共に人の倒れる音を聞いたのは。

「……え?」

 後ろを見ると楓が倒れ伏していた。慌てて駆け寄る。

「楓? おい、楓!」
「ごめん、彼方。……愛してたわよ」

 楓はそのまま動かなくなった。

「楓? あ、あ、アアアアアアアアアア……!」


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「っ! ハァハァ……。ふぅ、夢か……」

 そこは自分の家だった。枕元に置いてある時計は午前2時過ぎを俺に知らせてくれた。いつもの起きる時間まで四時間以上ある。

「久しぶりに見ちまったな……。最近は見ること無かったのになぁ」

 楓を喪ってしまったあの日の夢。あのあとに続かなくて良かった。それにしても、あの戦いでユーナの死ぬ前に言ってたことがやはり残っている。

「……悪かったな、ありがとう」

 あとで聞いた話だと、ユーナはあんな奴では決してなかったらしい。元凶は、

「ヤネスか……」

 結局倒すことのできなかった悪魔。あいつは一体何だったのだろう。

「ああ、止めだ、止め。明日は流石に寝坊出来ん。千冬姉さんに殺される。流石に比喩だけど、俺負けないし」

 もう一度布団をかぶり直す。明日は入学式だ。それにしてもなんで今あの夢を? 最後にそんな疑問を持ちながら俺の意識は消えていった。


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 明日になってこの夢が一種の予知夢、またはフラグだと気づいた……。
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