第一次アイゼンヘルツ会戦
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
万ものAI・アンドロイド・ドロイドが宇宙の藻屑として消えた事を指摘しておこう。
その結果は次の言葉に結実する。
「ウルヴァシーの造船所は大盛況だそうですよ。
元々フェザーンは傭兵として艦隊を派遣していた数を入れれば五個艦隊は持てる力を持っていますからね。
それが帝国内戦ですりつぶされたので再編に乗り出している所ですが、アパチャーサイエンス社は同盟政府の認可を経て廉価版のアンドロイド及びドロイドの大量契約を結んだそうです。
フェザーン艦隊の再編には三ヶ月もかからないでしょう」
アンドロイドとドロイドの良い所はここにある。
船を作っても動かす人員が育成できなければ宝の持ち腐れ。
だが、膨大な実戦データをコピーできるアンドロイドとドロイドは短期間での戦力化を可能にできるのだ。
とはいえ、それでラインハルトに勝てるとはヤン及び緑髪の参謀はまったく思っていなかったりするのだが。
だからヤンは釘を刺しておく。
「君達アンドロイドもコンピューターだから、どうしても欠点がある。
それは知っているだろう?」
「はい。
私たちは機械であるがゆえに、効率的に動いてしまいます」
「正解。
人は失敗する。
そのほとんどは状況悪化に繋がるが、その状況悪化に機械がついていけないんだ」
ヤンと緑髪の参謀の言葉にグリーンヒル少尉はなんとかついてゆくばかり。
戦場の霧という言葉がある。
何が起こるかわからない戦場における不確定性を現した言葉だが、この戦場の霧に機械はとても弱い。
グリーンヒル少尉は暇つぶしとヤンと緑髪の参謀が3Dチェスをしていたのが思い出す。
見事な攻勢によってチェックメイトを決めた参謀に対して、ヤンは、
「コンピュータに勝つ為にはこれしかないだろうね」
そう言って、ヤンは3Dチェス版を回転させたのである。
それにあっけにとられた参謀が笑ってそれまでになったが、きっとそれが答えなのだろう。
なんとなく理解した副官の為にヤンは言葉を重ねた。
「ルールを決められた上では人はコンピューターに勝つのは難しい。
だから、ルールをこちらで決定するんだ。
勝負というよりも詐欺の部類だね。こりゃ」
ヤンの言葉に副官もデータを指差しながら補足する。
「ローエングラム艦隊は最初から最後まで、主導権を握り続けていました。
この場合、ゲームのルールの決定権は彼の手にあったんです。
彼の艦隊がフェザーンを直接目指す行動を取ったから、フェザーン艦隊は出てこなくてはいけなくなり、背後を突くそぶりをする事でフェザーン艦隊を躊躇わせ、彼の艦隊が傭兵艦隊を叩いたので勝敗が単純に双方の数になりかかりました。
それをひっくり返したのはイゼルローン回廊に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ