第一次アイゼンヘルツ会戦
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と私兵としての貴族の命令という双頭の鷲状態に陥っていたのである。
数で勝っている帝国軍は、それゆえに参加貴族の命令という形で『イズン』撃沈に動いて統一攻勢とはよべないお粗末な攻撃を加えてしまい、傭兵艦隊の第二次雷撃の隙を与えてしまう。
数に勝る帝国軍だが傭兵艦隊に性能では負けており、単座戦闘艇の近接戦闘では帝国軍を圧倒した結果、第二次雷撃で帝国軍は戦線崩壊の危機に陥る。
ここで、総予備として後方でじっとしていたローエングラム艦隊が動く。
高速戦艦を主体とした高速戦隊でフェザーン軍を背後から突こうとして帝国軍の前線崩壊の危機を防いでみせ、フェザーン軍の中核が傭兵艦隊であると見抜いて叩きにかかったのである。
この攻勢に傭兵艦隊が耐えている間に、帝国軍主力が再編が終了してフェザーン軍に襲い掛かる。
勝利を確信した帝国軍の攻勢を再度防いだのはローエングラム艦隊の攻勢から守っていた単座戦闘艇から抽出した第三次雷撃隊で、フェザーン艦隊が崩壊しなかった代償に艦隊雷撃艇母艦『ノースゴッテス』・『ビックウェル』・『グランドウッド』は撃沈。
おまけとばかりに『イズン』も大破させて、出陣していたエリザベート・フォン・カストロプ女公爵が負傷するという始末。
彼女と『イズン』が生き残ったのは、ラインハルトの将才を味方側で見ていたからであり、ローエングラム艦隊の攻勢に躊躇う事無く遁走に移ったのが大きい。
帝国軍がこの段階で兵を引いたのは、この後のフェザーン攻略戦で巨大防御衛星を相手にしなければならなかったのと、背後に居ただろう同盟軍艦隊の存在、そしてイゼルローン方面軍からのイゼルローン回廊進入の報告が帝国軍に入ったからだろう。
これは、同盟と帝国の主戦場がフェザーン回廊に移っただけでなく、イゼルローン回廊が陽動等の主戦場の地位を失った事を端的にあらわしていた。
損害はおよそフェザーン軍8000隻に帝国軍10000隻。
フェザーン軍に参加した傭兵艦隊の損害は5000隻を超えていた。
だが、失った人員は18万ほど。
実験部隊の実験は、先の緊急予算成立によって推進が決まった実体化AI搭載艦およびアンドロイドとドロイドの混成部隊だったからだ。
「第三次ティアマト会戦で失った人員は6000隻に40万人。
今回は5000隻に18万人。
悪い話ではありませんね」
緑髪の参謀は朗らかに緊急予算の成果を強調するがヤンは苦い顔をし続け、グリーンヒル少尉は顔が引きつっている。
18万人は小都市圏人口に匹敵するからだ。
だが、緑髪の参謀のいわんとする事も分かる。
同盟は兵力を提供した変わりに、これらAI・アンドロイド・ドロイドでどこまで人員が削れるかのデータを入手できたのである。
なお、18万の人名の背後には20
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