第一次アイゼンヘルツ会戦
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カ・グリーンヒル少尉が一緒に眺めたのだが、そこに映し出された戦場は緑髪の参謀が賞したとおり、ただ一人が翻弄した戦場だった。
その翻弄した人物の名前は、ラインハルト・フォン・ローエングラムという。
戦いは地の利を得ていたフェザーン軍が逃げ回り、帝国軍を補足しようと追いかける所からはじまった。
帝国軍からすれば、フェザーンにワープしたいがワープ前にフェザーン艦隊に叩かれるのを嫌ったのである。
どうしてかというと、ワープには膨大なエネルギーを消費するために一定時間エンジン出力およびシールド等が弱体化するからだ。
それが分かっていたからこそフェザーン軍はこのアイゼンヘルツ星域で待ち構え、帝国軍はアイゼンヘルツ星域に突入してフェザーン軍を排除する必要があった。
イゼルローン回廊を中心に戦争をしていた帝国軍と違って、フェザーン軍はフェザーン回廊こそがホームであり、アイゼンヘルツ星域は庭先みたいなもの。
星域内での補足に失敗した帝国軍だが、総予備として後方に待機していたローエングラム艦隊がフェザーン艦隊に目もくれずにフェザーン星域へのワープポイントに向かった事で戦局が動き出す。
ローエングラム艦隊をワープさせる訳には行かず、フェザーン艦隊はローエングラム艦隊を叩こうして帝国軍に補足される。
で、ワープなんてはなから考えていなかったローエングラム艦隊は、フェザーン艦隊から逃げるように星域外周部を移動して帝国軍主力と合流。
数で勝る帝国軍がフェザーン軍を押す形で戦端が開かれたのである。
フェザーンは帝国自治領という建前もあって、配備していた二個艦隊は帝国軍編成になっており、帝国軍と同装備で戦えば数の差がそのまま勝敗に直結するという所を傭兵艦隊の横殴りで助けられる。
傭兵艦隊は同盟軍艦艇と編成で出撃していた事もあって、12000隻と少なめだがその分艦の性能は帝国軍を凌駕する。
更に、第三次ティアマト会戦にてローエングラム提督が使った単座戦闘艇にリニアレールガンを積んだ雷撃艇という新機種を投入。
艦隊雷撃艇母艦『ノースゴッテス』・『ビックウェル』・『グランドウッド』搭載の雷撃艇による開幕雷撃によって帝国軍の攻勢を頓挫させて膠着状態に陥らせている。
ここまでフェザーン軍及び帝国軍は双方一割ほどの損害を出している。
戦局が動き出したのは、帝国軍が不可解な行動に出てからだ。
傭兵艦隊の一部に明らかに不合理な攻撃を仕掛けだしたのだ。
帝国軍の不合理な攻撃対象の先には、傭兵艦隊として参加していたカストロプ公国軍旗艦『イズン』の姿があった。
同盟領侵攻失敗と帝国内戦によって疲弊した帝国軍は、ブラウンシュヴァイク公によって統一された貴族私兵を組み込む事で今回の遠征戦力を作り出していた。
その為、帝国軍将官の命令
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