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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第2話 心を許せない仲間
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り、はやてにとってフェイトの好きな部分ではあるのだが、このような場合はもう少し腹黒くなってほしいとも思う。
(まぁ、そういう腹黒い役回りは私が担当すればええだけの話やけど)
喉元まで出かかった溜息を胸に落とし、はやては軽く手をたたいて談笑する二人の注意を自分に向けた。
「ほな、役者も揃ったことやし、ラディオン君の仕事の説明でもさせてもらうわ」
そう前置きした後にはやては少し間を置き、二人の顔が程よく緊張でしまったのを確認して本題を始めた。
「事前に
首都防衛隊
(
むこう
)
で渡された書類にもあったと思うけど、いまライトニング分隊の方はデスクワーク周りの業務がパンク寸前になっとる」
「うぅ……。ごめん、はやて」
自分の預かるライトニング分隊の現状の話になり、途端に暗い顔で謝り始めるフェイトに気にせんでええよ、と優しく声をかけ、話しを続ける。
「そこでや、ラディオン君には副隊長としてライトニング分隊に入ってもろうて、主に他の
隊員
(
こ
)
らのデスクワークの――」
そこでいったんはやては言葉を区切り、自分でも嫌な顔だと思うようなにっこり笑顔を浮かべた。
「――“フォロー”を頼みたいと思っとる。もちろんなにをどこまで“フォロー”するかは、こっちのほうで決めるから、ラディオン君は気を回さんで大丈夫や」
言うまでもなく、はやてが選んだこの“フォロー”という言葉はあくまで便宜上使っているだけで、実際には、彼を隊の運営の根幹に関わる業務から外すための体のいい方便である。
本音を言えば猫の手も借りたい状況ではあるのだが、手を借りた猫に爪をたてられてしまっては元も子もない。
こういうずる賢い政治家のような言葉回しができるようになってしまった自分を内心で嫌悪しながら、はやては視線を落としなにか考えている素振りを見せるラディオンの様子を伺った。
今の“フォロー”という言葉に何も反応しないならそれでよし。後はこっちで適当に転がせばいい。
だがもし、“フォロー”という言葉に反応したとすれば、その返しはおそらく――
「二つほど、質問をよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
指を2本立てる彼に穏やかな声で先を促しながら、はやては気を引き締める。
「先程フォローする分はこちらで決める、と仰いましたが、現場でこちらがフォローの必要があると判断した場合は、独断でフォローしても構わないでしょうか?」
ラディオンの返しに、はやては内心予想通りとほくそ笑んだ。
彼の返しは、ようははやての“フォロー”という言葉の定義を拡大解釈するもの。
スパイとしては動いても咎められない範囲は広ければ広いほどいい。そしてその動ける範囲をあらかじめ、上の人間から言質を取れていればなおさらいい。
そのことをキ
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