眷属、集めます
第25話
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、また姿が見えなくなってしまった。
どうすれば良い?森の中で木を背にするのは危険しかない。自分で逃げ道を一つ潰す上に真上にも注意を払わなければならない。なら少しでも開けている場所の方が良い。移動しようと動き出そうとした瞬間、横から突き飛ばされ、私を庇う様に祐斗さんがお姉ちゃんの爪で袈裟懸けに切り裂かれた。
「ぐっ、馬鹿な、魔力の流れが!?」
いつもならすぐに塞がっているはずの傷が塞がらずに手で押さえている。それどころか十字架と聖剣に身体を焼かれている。悪魔に転生した直後にしかそんな事なかったのに。
「弱点みっけ〜。なるほどにゃ〜、魔力を断てば回復もしないし力も落ちるみたいね。仙術には流れを変える力もあるからメチャクチャにしてみたんだけど、まさかここまであるなんてね。肉体強化の魔剣とかは見た事もあったけど、痛覚遮断とかの魔剣とかも作れるんじゃない?それに魔力を通せなくなって苦しんでる」
「ふふふ、知られてしまった以上余計に逃がすわけにはいかなくなりましたね」
身体をふらつかせながらも祐斗さんは立ち上がる。
「やせ我慢なんかしちゃって。本当は死ぬ程辛いんでしょう?こっちも美猴がやられてるみたいだからここで手打ちにして上げても良いよ」
祐斗さんが戦っていた男の人を指差しながらお姉ちゃんが提案する。
「そうもいかないのが僕の立場なんですよ。それにまだ僕は戦える!!」
そう言うと祐斗さんは両手の聖剣を自らに突き刺した。同時に悪魔が聖なる物に触れた時に出る煙をあげながら、傷が塞がっていく。そして、新たに魔剣を作り出してそれを身体に突き刺す。
「魔力の経路がメチャクチャにされたのなら、新しく経路を作ってやれば良いだけです」
祐斗さんはかなり苦しそうな顔をしながらも武器として使う聖剣を手にする。今まで見た事もないその表情に、本当に余裕がないのが分かる。新しく魔力の経路を作ったと言っても、完全に戻った訳じゃない。たぶん、3割。それだけしか魔剣や聖剣に魔力を送れていない。お姉ちゃんに斬り掛かるスピードはいつもより遅く、傷が治る速度も遅い。そしてお姉ちゃんに接触する度にスピードが下がり続ける。そしてとうとう聖剣を握れなくなる。身体から流れる血の量も明らかに危険域だ。
「祐斗さん、もう止めて下さい!!」
私は倒れそうになる祐斗さんを抱きとめる。
「ここまで来たら、もう見逃せないよ。二人まとめてころころしてあげる」
「くっ」
祐斗さんが辺りに魔剣を大量に産み出して爆破させ、短距離転移でお姉ちゃんから距離を取る。
「ごほ……お姉さんとは話が尽きましたか?」
血を吐きながら祐斗さんが尋ねてくる。
「そんなこと今はいいです。早く手当てをしないと!!」
「なら、質問を
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