眷属、集めます
第25話
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ゃんから霧の様な物が発生する。今までの経験から危険な物と判断して対応する。魔法は得意じゃないし、それほど強くもないけど祐斗さんに勧められるまま簡単な炎や水、それと風と光源を作る魔法だけは使える様になった。以前、毒の霧を扱うはぐれ悪魔に対して祐斗さんが対処した方法は水の魔剣で霧ごとまとめて押し流すと言う方法だった。毒なら薄めてしまえば良いらしい。霧なら水の塊をぶつければ全て吸収されるとも言っていた。
だけど、私にはそこまでの事は出来ない。だから迫ってくる霧の目の前に水のカーテンを発生させて霧を吸収させながら自分の周りに風を纏わせて防御する。これで多少はマシなはず。
「へぇ〜、意外と経験を積んでるみたいね。なら、直接叩き込む」
お姉ちゃんは霧を発生させるのを止めて爪を伸ばして飛びかかってくる。早いけど、無駄の多い動きだ。見切って、少し多めに距離を取って躱す。案の定、爪の長さが変わっていた。直接叩き込むと言っている以上、攻撃を喰らうわけにはいかない。
悪魔や人外にとって人間は神器位しか取り柄の無い種族かもしれない。普通の動物と比べてみても、力などは劣るだろう。だけど、その人間は成長し、受け継いでいく生物だ。長い時をかけて研鑽されていった技術は悪魔や人外のそれを超える物が多い。達人級と呼ばれる人間は下手な上級悪魔よりも強い。
何が言いたいのかと言えば、お姉ちゃんの動きは本能や経験に任せた動きばかりで技術と言った物は見受けられない。だから攻撃を躱すのは難しい事ではない。爪の長さが変化する位なら最初からそれを想定した上で距離を離すか向きを考えれば簡単に躱せる。だけど、こちらの攻撃も当たらない。慌てて躱しているようだから技術ではないし余裕がある訳でもない。なのになぜか当たらない。
一度距離を取って攻撃方法を変える。私が使える魔法の中で唯一攻撃力を持った魔法である水の弾丸を右手を銃の形にして連射する。お姉ちゃんはそれを簡単に回避するけど、それで良い。お姉ちゃんを観察して明らかにこちらの動きを先読みして回避しているのが分かった。だけど、読心ではない。たぶん、魔力や身体の流れを読まれているんだと思う。
これは、ますい。持久戦になったら魔剣の維持を行わないといけない私の方が不利だ。お姉ちゃんには魔法以外に仙術も使えるから余裕はある。ここは限界以上に力を発揮して流れを先読みされても反応出来ない位早く動いて仕留めるしかない。
水弾を撃ちながら魔力を集めて魔剣に一気に流し込み、瞬歩の要領でお姉ちゃんの懐に飛び込んで拳を振り抜く。しかし、またしても空を切る感覚だけが残る。そして今度は完全にお姉ちゃんを見失ってしまった。直感で前方に転がると背後で風を切る音がした。後ろに回り込まれていたんだ。驚いて術の制御が甘くなったのか一瞬だけ姿が見えたけど
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