17:male
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を何だと思ってるのッ!? ホントに自分が何やったか分かってんのーッ!?」
ハーラインはその場で身震いしながら滂沱の感涙を流し、リズベットは青い顔のままユミルへと詰め寄り、掴んだ彼女の肩を揺さぶっていた。しかしユミルは至って平静に受け答えた。
「分かってるよ。だけど、もうじき返答が来ると思う……ホラ」
「へ……?」
その言葉と同時に、ビビーッというシステム音が周囲に響き渡る。
同時に、ユミルとハーライン両名の目の前に再び小さなタブが表示された。
その文章はこう書いてあった。
【エラー:同性同士での結婚は出来ません。お互いのステータスを確認してください。】
『……………は?』
一文字だけだったが、この時、俺達の言葉が完全にシンクロした。
エラー。
結婚は出来ません。
そこまではいい。
……………………同性?
俺達が問いたげな目線をユミルへ一斉に送ると、ユミルはそれに答えずにステータス画面を俺達にも可視の設定にして見せる。
「……今度から他人のステータスを見るときは、よく見たほうがいいよ」
それだけ言って右手を上げ、画面の最も上の一箇所を指差す。
俺達が調べた能力値の欄よりも上部の、最も基本的な情報が記された箇所だ。
そこには《Ymil》……ユミルという彼女の名前があり、その隣の欄には……
――《male》とあった。
そこは確か、性別を表す箇所だったはずだ。
そこに《male》という表記。
《male》を日本語に訳すと。
つまり……
「――――ボクは、男だよ」
降ろした右手を腰に当て、呆れた目線を送りながら、そう簡潔に宣言した。
表情こそ極めて不機嫌そうだが、可憐以外の何者でもない容姿を持つ、彼女が。
……いや、彼が。
………男の子、だと?
『―――――。』
俺達は揃って終始絶句し、ここでユミルは再びハーラインへと振り返る。
そのハーラインは、絶望的な表情で頭を抱えながら左右に振り、信じられないといった風に口をパクパクさせていた。
「……ということで、残念だったね。ものすごく不本意だけど、これからほんの少しの間だけ、『仲間』としてよろしく」
そう言って、もうあの可憐な笑みを浮かべることなく、イタズラが成功した嗜虐の笑みと不機嫌さのジト目が見事に合わさった器用な表情で彼を見上げ、
「――男に求婚した、最ッ低の、ド・ヘ・ン・タ・イ・さん?」
そうトドメを刺した。
その数秒後、ハーラインの恐らく
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