17:male
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えようっ、ね!?」
「あんなナンパ野郎のどこがいいっていうの!? 少しだけマトモなのは顔だけよ!? 中身はもうサイテーなんだから!!」
「そうですよっ!? 女の子が簡単に結婚を決めていいものじゃありませんっ!! ユミルちゃんみたいな美少女なら尚更ですっ!!」
口々にそう訴えるも、ユミルはその可愛らしい笑みのままくるりと此方を振り返り、
「それだよ。その……『女の子』っていうの」
「え……?」
その突然の言葉の意味が分からず、俺達はただそう返すしかなかった。
「――ボクはさ、キミ達にステータスを見せても驚いた様子を見せなかったから、てっきり『そうじゃない』って分かってて『女の子』みたいに接しているものかとずっと思ってた。まぁ……すごく不快だったけど、別に慣れてたから、さほど気にしなかった。だけど……この服の件から確信したよ。キミ達は最初からずっと『そうじゃない』って知らずに、ボクに接してたことをね」
意味深に続く言葉を一度区切り、そして……
可憐だった笑みを……最大級に不機嫌そうなジト顔に変えた。
――うららかな春から一気に梅雨がやって来たかのような、そんな見事なジト目だった。
「……だから、ボクが『そうじゃない』っていうことを今、ここでハッキリと教えておいてあげる」
「い、一体なにを言ってるん――」
俺が言い終わらないうちに、ユミルは目の前の婚姻タブへと手を振り上げ……
「あっ」
誰かの声と共に……ピッというボタンが押される簡素で短い音が響いた。
そう。彼女の指先がタブのボタンを押していたのだ。
【ハーライン から結婚を申請されました。許諾しますか?】 というタブの問いに、
――【YES】の方のボタンで。
『……………』
一斉に静寂が訪れた。
「…………し、信じらんねー……あのガキ、マジで押しやがった……」
この話では完全に外野だと思っていたデイドの息を飲む声がしてから、しばらくして。
「「き……き……」」
ハーラインとリズベットが、肩を震わせながらそう呟き始めた。
「き……?」
俺が恐る恐る二人にそう問うた瞬間、
「キタ――――――――――――ッ!!!!」
「きゃぁぁあああナニやってんのぉぉお!?」
という、赤い顔のハーラインと青ざめた顔のリズベットの奇声が同時に響いた。
ちなみに、アスナとシリカは青ざめた顔まではリズベットと同じだが、二人は霊魂を抜かれたかのようにポカンと突っ立っていた。
「ついに、ついに私はッ……生涯を共に寄り添ってくれる、美少女の伴侶と巡り合えたよッ……!!」
「ユミルちゃんっ、あんたっ、自分の純潔
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