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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
17:male
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、個人の影響が大きい一部の申請タブは表示限界時間が設定されていないと聞いていたが、どうやら結婚申請タブもその類に属するようだった。リズベットはそれを見て説明する。

「あー、知らない? プロポーズメッセージっていって、これをOKしちゃったら、これを申請している相手……つまりあの変態ドM野郎と結婚しちゃうってことなの。だから、迷わず今すぐ【NO】のボタンを押しちゃって問題ないわ。というか押しなさい」

「へぇ……」

 ユミルはその説明を興味深そうに聞いていたが、それから何故か俺やアスナ達、そしてハーラインを見て……


「――……ふぅん?」


 唇に指先を当てながら、一瞬だけ小さくニヤリと……イタズラを思いついた子供のような笑みを浮かべた……ように見えた。

 そして彼女はタブを表示させたままハーラインの所へ、臆することなく歩み寄っていく。

「ねぇ、キミ」

「え、わ、私かね……?」

 ハーラインはマーブルが現れてからというもの、ずっと青ざめた顔のままだった。そんな長身の彼を、ユミルはどうしたことか……いつになくふわりとした可憐な笑みで見上げていた。

「うん、キミ。――……キミは、ボクと結婚したいの?」

「「「は、はいっ!?」」」

 その問いはハーラインだけに留まらず、俺達全員の(きょ)を突いた。

 先程のリズベットの説明を聞いておいての、その言葉はまるで……『自分は結婚しても構わないから、相手の意志を再確認したい』というニュアンスが感じられてしまうではないか。
 ハーラインはチラチラとマーブルを見ながら、しどろもどろに答える。

「と、突然だねっ……。あ、いや……だがね、そこの女主人がだねっ……」

「そんなの関係ない。キミはボクと結婚したいの? したくないの?」

「そ、それはっ……え、ええとだねっ……」

 ハーラインはあたふたと片淵眼鏡を何度も掛けなおしながら、半分テンパりながらだが、紳士モードの再建をしはじめる。
 そして、

「しっ……しししたいですっ!!」

 キャラが盛大に崩壊気味だったが、ついに答えやがった。

「…………そ。分かった」

 それを聞いた満足そうなユミルは、その笑みが最高潮になる。

 ――ふわりと花びらが綻ぶような、そんな絵になる可憐な笑みだった。

 そして……次の言葉で、今度こそ俺達の度肝はブチ抜かれた。



「――じゃあ、ボクと結婚しよっか」

「「「ちょっと待って!?」」」



 この言葉はアスナ、リズベット、シリカの、最早悲鳴に近い制止の声である。危うく俺もそこに参入しかけたのは言うまでもない。

「ユミルちゃん!? 早まっちゃダメだよ!! そういうことはもっと慎重に考
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