17:male
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って、ビビッてんのか? あ?」
「……汚い言葉。今ならよく見えるけど、その顔とおんなじだね」
「ンだとっ!?」
額に血管を浮かばせたデイドはユミルの胸倉へと手を伸ばそうとする。
が……
「よしなさい」
その真横に居たマーブルの声がそれを遮った。
「今からあなた達はお互いに仲間なんでしょう? そんな事をするもんじゃないわ」
「……あァ? 他所モンがうるせぇよ、ババアはすっこんでろ」
「――――――」
途端。
マーブルの、例の目だけが笑っていない毒の花のような笑みが咲いた。
「…………うふふ。確かにそうね、私は他所者よ。だけど――」
その薄く開いた目が彼を射抜き、
「――あなたを、力尽くで矯正・改心させてあげる程度の事はできてよ?」
「……………」
デイドはそれを聞いて、額に血管を浮かべたままピクピクと目の端を痙攣させた。
「……上等だテメェ。今ここでやろうってのか」
「待った待った、騒ぎはゴメンだぜ」
「そうだよっ、マーブルさんも、ストップストーップ!」
半分様子見、半分呆気に取られ静観していたが、もうここらが限界と感じた俺やアスナ達は、その間に駆け寄る。
「マーブルさん……気持ちは分かりますが、あなたまで状況を悪化させてどうするんですか……」
「…………うふ、ごめんなさいね。ちょっと昔の血が騒いで、調子に乗っちゃった♪」
するとマーブルさんはとぼけたように舌をぺろりとだしてコツンと自分の頭を軽く叩いた。それをみたアスナはやれやれと溜息をつく。
「デイド……お前も何度いざこざを起こせば気が済むんだ?」
対して俺も同じ溜息をつきながらデイドを振り返るが、彼は行き場の無い消化不良の憤慨に苛んでいるようだった。
「だってよ、気にくわねぇ! それにあっちからもケンカ吹っかけて来たんだぞ!? 買わずにいられるか!」
それを俺はなんとか嗜める。
「子供みたいな事を言わないでくれ。……言っとくがな、今お前がケンカ売ってた二人は相当な手練れだぞ? 特にユミルの方はお前よりレベルが5も下だが、俺と良い競り合いが出来るくらいには強かったぞ。確実に俺達の戦力になってくれるはずだ」
「…………チィッ!」
一瞬、驚嘆する顔でユミルを見るも、すぐに大きな舌打ちをしてずかずかとその場を離れていってしまった。
「ユミルちゃん、大丈夫だった?」
リズベットがユミルへと駆け寄る。
「別に、あんなのなんともない。……それより、これは?」
ユミルは未だに眼前に小さく表示されているタブをじっと見つめている。
ギルド退団申請やアイテム交換申請など
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