17:male
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ーブルだった。
彼女は俺の前へと進み出、ハーラインの前に立つと呆れた風に溜息と共に腰に手を当てた。
「いけない人。よりにもよって、今度はユミルを困らせてるのね」
「しっ、しないがね! もう諦めるよ!」
すっかりへっぴり腰になったナンパ師は、青い顔のままシュバッと起立して俺の後ろへとダッシュして、俺を盾にしていた。不愉快ことこの上ない。
「マーブル、どうしてここに?」
告知タブをじっと見ていたユミルは、傍に立つマーブルを見上げた。
「ううん、べつにー? ただ、あなた達の見送りに来ただけよ? ……ま、来てよかったとは思ってるけど、ね」
マーブルはチラリともう一度、少しだけハーラインを振り返る。それだけで俺の背後のハーラインはビクリと跳ね上がり、俺の肩に両手を置いてガタガタ震えている。不愉快ことこの上ない。
「……おい、黒の剣士」
デイドも怪訝な顔で声を潜めつつ歩み寄ってくる。
「キリトでいいよ。なんだ?」
「エプロン女の方は、そこのナンパ野郎の反応で誰だかは予想はついた。だが、あの白いガキは誰だ? 見たこと無ぇツラだが……」
「……ああ、紹介するよ」
俺は肩に乗るハーラインの手を振り払ってから、彼らに紹介する。
「あの子の名前はユミル。これから俺達と行動を共にする仲間の斧使いだ。そして第三の容疑者……あのボロフードの中身の正体だよ」
「はァッ!? アレが!?」
「……い、いやはや。人は雰囲気によらないものだね……。あの中身があんな美少女だったなんて、私としたことが……」
二人揃って目を剥いて驚いていた。俺は彼らの予想通りのリアクションに、内心満足する。と……
「……チッ」
「お、おいっ?」
デイドが苛立たしげな舌打ちをしたかと思うと、ポケットに手を突っ込みながらユミルへと歩み寄っていった。すぐさまユミルもその視線を感じ取り、そちらも不愉快に鋭くさせた目を彼に送る。
「おい、テメェ」
「……………」
たちまち二人の視殺戦が繰り広げられる。
今回はユミルが素顔を晒しているのでデジャブこそ薄いが、もう何度目かの睨み合いだ。
「よォ、死神最有力候補さんよ。あの不気味でボロ臭ェ服の中身が、まさか……こんなガキだとは思わなかったぜ」
「……………」
「しかも、よりにもよって、そこのムカつくアイドル様みてーなツラ構えじゃねーか。ハッ、こんなガキがまた一人加わるなんてマジで気に喰わねぇ。オレらは子守でもアイドルプロデューサーでもねぇってのに……。テメェもオレらに媚びて、楽にレベルアップってクチじゃねーだろーな?」
「……………」
「おい……何とか言ってみろよ。まさか、今は顔を隠してないから
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