暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
17:male
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーブルだった。
 彼女は俺の前へと進み出、ハーラインの前に立つと呆れた風に溜息と共に腰に手を当てた。

「いけない人。よりにもよって、今度はユミルを困らせてるのね」

「しっ、しないがね! もう諦めるよ!」

 すっかりへっぴり腰になったナンパ師は、青い顔のままシュバッと起立して俺の後ろへとダッシュして、俺を盾にしていた。不愉快ことこの上ない。

「マーブル、どうしてここに?」

 告知タブをじっと見ていたユミルは、傍に立つマーブルを見上げた。

「ううん、べつにー? ただ、あなた達の見送りに来ただけよ? ……ま、来てよかったとは思ってるけど、ね」

 マーブルはチラリともう一度、少しだけハーラインを振り返る。それだけで俺の背後のハーラインはビクリと跳ね上がり、俺の肩に両手を置いてガタガタ震えている。不愉快ことこの上ない。

「……おい、黒の剣士」

 デイドも怪訝な顔で声を潜めつつ歩み寄ってくる。

「キリトでいいよ。なんだ?」

「エプロン女の方は、そこのナンパ野郎の反応で誰だかは予想はついた。だが、あの白いガキは誰だ? 見たこと無ぇツラだが……」

「……ああ、紹介するよ」

 俺は肩に乗るハーラインの手を振り払ってから、彼らに紹介する。

「あの子の名前はユミル。これから俺達と行動を共にする仲間の斧使いだ。そして第三の容疑者……あのボロフードの中身の正体だよ」

「はァッ!? アレが!?」

「……い、いやはや。人は雰囲気によらないものだね……。あの中身があんな美少女だったなんて、私としたことが……」

 二人揃って目を剥いて驚いていた。俺は彼らの予想通りのリアクションに、内心満足する。と……

「……チッ」

「お、おいっ?」

 デイドが苛立たしげな舌打ちをしたかと思うと、ポケットに手を突っ込みながらユミルへと歩み寄っていった。すぐさまユミルもその視線を感じ取り、そちらも不愉快に鋭くさせた目を彼に送る。

「おい、テメェ」

「……………」

 たちまち二人の視殺戦が繰り広げられる。
 今回はユミルが素顔を晒しているのでデジャブこそ薄いが、もう何度目かの睨み合いだ。

「よォ、死神最有力候補さんよ。あの不気味でボロ臭ェ服の中身が、まさか……こんなガキだとは思わなかったぜ」

「……………」

「しかも、よりにもよって、そこのムカつくアイドル様みてーなツラ構えじゃねーか。ハッ、こんなガキがまた一人加わるなんてマジで気に喰わねぇ。オレらは子守でもアイドルプロデューサーでもねぇってのに……。テメェもオレらに媚びて、楽にレベルアップってクチじゃねーだろーな?」

「……………」

「おい……何とか言ってみろよ。まさか、今は顔を隠してないから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ