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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九六幕 「オンリーノウズ」
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拐されました!!自衛隊がそちらに向かっているそうです!!」
「なっ・・・何だとッ!?」

どうして悪い事態はこれほど重なるんだ、と千冬は髪を掻き毟った。



 = =



専用機持ち達は千冬の指示で太平洋方面の迎撃班とベルーナ救出班に分けられた。

太平洋迎撃班は、展開装甲による高速移動が可能な箒の紅椿とオートクチュールによって高速移動が可能なセシリアのブルー・ティアーズ、そして推力に余裕のある紅椿に牽引される白式。そしてその後方で万一領海に侵入されたときのために構えるシャルとラウラという布陣になった。

敵が不明という不確定要素があるが、既に国家代表レベルの操縦技術を持つセシリアがフォローに入り、準代表レベルのシャル、ラウラ両名でバックを固めればそれだけで十分な布陣と言える。

そしてベルーナ救出班だが、こちらは班とは名ばかりでジョウのみとなっている。本当ならばもう一人後詰が欲しかったところだが、既に自衛隊のISと学園のISが合わせて5機そちらに向かっていることと、太平洋側も予断を許さない状況であることから、そちらには更識からの要望も最高戦力を送る形で決定した。

「あの、織斑先生。佐藤さんには・・・」
「・・・・・・黙っておけ」

ベルーナ誘拐の件を伝えれば、いかに佐藤さんと言えど感情や動揺を抑えきれないかもしれない。そう思った千冬は、佐藤さんにこの事は敢えて伝えない事にした。確かに佐藤さんも強力な戦力ではあるが、専用ISはつい先ほど受け取ったばかりで不確定要素が多い。それに、本当ならば紅椿とて問題があるのだ。アラスカ条約にて確認されていないコアを使用した第4世代ISというだけで、世界情勢は恐らく揺れるだろう。佐藤さんのISも言わずもがな、だ。

ユウと鈴はまだ無鉄砲なところがあるし、簪も姉の楯無から「まだ荒事には早い」と言われている。そして何よりこの旅館が狙われる可能性もゼロではない以上、どちらにしろ戦力は残しておく必要がある。

「ベルーナの事はジョウと自衛隊に任せる。大勢で押しかけてはむしろ状況を混乱させる危険性もあるし、ジョウならば上手く立ち回るだろう。我々に出来る事は残念ながら多くない」
「誘拐事件もアンノウン迎撃も、武装ISを6機ずつ投入・・・国家レベルの戦力です。歴史に残る事件になりますね」
「願わくば、どちらも犠牲者を出さずに終わることを願おう」

そう呟きながらも、千冬は全く別の事を考えていた。
それは5年前に犯した過ちと、たった一つの約束。


『必ず連れて帰る。だから、これから俺のやることに口出しをしないでくれないか?束・・・お前も、いいな』


――チカ。これも必要な事・・・そうなんだな?私はお前たちを信じるぞ。
 
 
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