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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九六幕 「オンリーノウズ」
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は実力も確かで気のおける友人だが、それでも今回の件ではどこまで頼れるか分からない。
(私は戦士だ。戦えない人間の代わりに戦うのが仕事だ。だから、私は――)
なれるのならばその身代わりにも――その呟きは、誰にも聞かれることはなかった。
= = =
所変わって旅館。
急きょ旅館の一室に集められた生徒たち。呼ばれたのはシャル、ラウラ、ジョウ、箒、一夏、そしてセシリア。このメンバーは今回の作戦に必要な人材の最低限として千冬が選別した人間だ。事が事だけに、専用機全員に知られるのも面倒だった。故にまだ実力不足と判断した3名と予備人員で1名、集合するメンバーから外してある。
つまり鈴、簪、ユウ、佐藤さんは他の生徒たちの面倒を見るためにここには呼ばれていない。本来ならば箒と一夏も呼ばれない予定だったのだが、今回扱う問題を解決するためにやむを得ず声をかけた。佐藤さんも教務補助生という立場上、後で事情を伝えることになるだろう。
そこにはベルーナ誘拐の一報は未だ届いておらず、代わりに別の連絡が届いていた。
「お前らに集まってもらったのは言うまでも無い・・・非常事態だ。
銀の福音
(
シルバリオ・ゴスペル
)
・・・アメリカ軍とイスラエル軍が共同開発した軍用第三世代ISなのだが、このISが現在、何者かの襲撃を受けている」
「「「ッ!?」」」
世界の警察を自称し、IS開発においても先進である米国と、その米国の援助を受けて高い軍事力を保持するイスラエル国防軍。その2国が開発した虎の子の新型ISに喧嘩を売るということはどういうことか、その襲撃者は理解しているのか?いや、そもそもISを襲撃しているなど現行の兵器ではIS以外では勝負にならない筈。
あるいは、そんな馬鹿な真似を平気で行うあの”正体不明の敵”が現れたのか?集合した専用機持ち達に剣呑とした空気が漂う。この場に佐藤さんがいれば、「またか」という顔をするであろう。つまり、佐藤さんの知る原作とは異なった展開だ。
急きょ用意されたスクリーンには日本からハワイ周辺までの地図が投影され、そこに点滅するいくつかの点や円が少しずつ動いていた。画面の端に次々にデータが弾き出されているがそれらを無視して千冬は太平洋を移動する円を指さす。
「太平洋ハワイ沖で機動実験中に急襲を受け、現在迎撃中・・・・・・だが、状況は芳しくなく、また襲撃者が戦域を西・・・つまり日本の領土側へ押し出している」
「ちょっと待ってくれよ、先生。質問させてくれ」
「構わん。何が聞きたい?」
突然の事態に混乱で言葉が出ない皆の聞きたいことを代弁するように、ジョウが口を挟んだ。
「まず、敵は何者なんだ」
「不明だ。この状況下で米軍が情報を出し惜しむとは考え難いから、本当に不明なのだろう。報告
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