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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九六幕 「オンリーノウズ」
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やられた。あの子が目的である以上は生け捕りが大前提になるのに、こんな乱暴な方法を使って来るとは。
もうもうと黒い煙を上げる護送車を置き去りに、A型装備と呼ばれるパッケージを装備した打鉄で空を飛ぶ
言葉
(
ことのは
)
文
(
あや
)
は歯噛みした。顎など砕けてしまえと思うほどの力で食い縛られた口は、今にも言葉にしてあふれ出そうな悔恨をせき止めるかのようだ。
護送車はまるで発泡スチロールを斬ったように真っ二つに裂かれ、前方はそれに加えて運転席付近が熱で溶解している。後方――ベルーナの居た席には人影が無い。血痕の類もないが安否不明だ。彼女はバックミラーで、連れ去られる瞬間のベルーナの姿を見た。
「私がついていながら・・・デッケン!」
まだレーダー範囲の外には辛うじて出ていないが、高速機動を前提としたA型パッケージでも簡単に追いつけない、敵のその推力が恨めしい。
テロリストの行った拉致方法は非常にシンプルで、そして大胆だった。ただ「ISを展開して護送車に近づき、レーザー兵器で文とベルーナを車ごと分断した」だけだ。
本来なら一見して分からないように車を追跡している更識の連絡で敵を察知し、最悪の場合は文がISを展開して迎撃、もしくは直接抱えて護送という手はずになっていた。ベルーナに可能な限り精神的圧迫を与えないため護送車周辺の警備をギリギリまで減らし、そのうえで対ドゥエンデの電子戦装備類も準備していた。
だが、その牙城はほんの一瞬で突き崩された。分断された瞬間咄嗟にISを起動させてベルーナのもとに飛ぼうとした文だが、その瞬間には自分の胴体に向けられた大出力レーザーの直撃を受けていた。咄嗟の行動であったため先読みは容易だったろうが、あと0,1秒でもISの展開が遅れていたら今頃自分は体が炭化していただろう。
自分が死にかけてなおベルーナの身を案じて追跡するという選択を選べるのも、彼女がISを駆る戦士であるという強い自意識があるからだろう。IS学園教師の中でも彼女ほどの決断力を持つ人間は少数だ。だからこそ護衛としてISを任されたともいえるが。
と、通信が入る。更識の特殊回線だ。
『言葉先生!空挺のあさがお部隊に協力を取り付けましたので、そのまま追跡をお願いします!指定座標で包囲をかけます!!』
「あさがお・・・れいかの部隊か、諒解した!!」
『ベルーナ君と連絡は!?』
「意識が無いらしい!失神してるか眠らされたか・・・拉致用の棺桶みたいな箱に詰められてる!!」
『箱とやらの強度がどこまでかはわかりませんが、迂闊にダメージは与えられませんね・・・』
自衛隊の基地と現在の空域は距離が近い。既に出動したなら包囲は間に合うだろう。だが、ベルーナが捕えられているという状況では迂闊に手を出せない。あさがお部隊の隊長である祇園寺れいか
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