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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
最終話 和平条約締結
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立される正常な関係、外交・経済・文化関係、国民と物品の移動の自由、差別的障壁の廃止を保証し、一方の締約国の管轄下にある市民による法の適正手続の相互享受を保証する。
第三条……、何だったかな、よく分からん。まあこの和平条約の条文だけど作成するのが大変だった。なんせ帝国も同盟も条約なんて結んだことが無いんだから。過去にさかのぼって地球時代の和平条約を引っ張り出して見よう見まねで作った。笑い話だな。
フェザーンのペイワードがフェザーンとも和平条約、通商条約を結んで欲しいと同盟、帝国に言ってきている。まあ独立はさせたけど現状では独立の保障も通商の保障もない。自治領だったから正式な条約など何もないんだ。おまけに独立したとはいえ帝国と同盟の中間で緩衝地帯として存在しているだけだから何か有れば直ぐ戦争になってもおかしくない。同盟と帝国が協力体制を強めているからな、不安になったらしい。仲間外れは寂しいようだ。
悪くないな、悪くない。フェザーンは同盟と帝国の協力体制に加わろうとしている。本当の意味で国際協力の時代が来ようとしている。おそらく年内には同盟とフェザーン、帝国とフェザーンの間で和平条約、通商条約が締結される事になるだろう。
もっとも問題が無いわけじゃない。同盟と帝国はフェザーンに対して最恵国待遇を与えるかどうかで迷っている。意地悪をしようというわけじゃない。将来を考えるとフェザーンに最恵国待遇を与えるのが妥当なのかどうか判断が出来ずにいるのだ。
フェザーンは人口二十億、居住可能惑星はフェザーンのみだ。つまりこれ以上の発展は難しい。今はそれなりの影響力を持っているがこれからは全人類におけるフェザーンの占める重みは徐々に小さくなる。最終的には同盟、帝国がそれぞれ三千億の人口を持つ時フェザーンは精々百億程度の人口維持が限界だろう。
経済規模もそれに比例するとなれば最恵国待遇を与えるのが妥当か? という疑問が出るのは当然だ。フェザーンがその辺りをどう解決するか。フェザーンには他に三つの惑星が有る。テラフォーミング、パラテラフォーミングで人口問題を解決し経済規模を拡大するのか。或いは探査船を出し新たな星系を発見するか。どちらにしろ金はかかるし時間もかかるだろうな。成果も出るかどうか分からない。不安定要素が多すぎる、頭の痛い問題だ。
「ヴァレンシュタイン委員長、条約締結おめでとうございます。御苦労されたかいが有りましたね」
考え込んでいるとサアヤが話しかけてきた。ニコニコしている。
「有難う、ミハマ大佐」
「トリューニヒト議長もハイネセンで御覧になっているでしょう」
「そうですね、皆が見ていると思います」
笑えるよな、主戦派の扇動政治家ヨブ・トリューニヒト国防委員長が最高評議会議長になり和平を結ぶんだから。その条約を結ぶの
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