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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
最終話 和平条約締結  
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に願います。ただ両親への謝罪には心から感謝します。父、母も喜んでおりましょう”
と言ったと答えました。

帝国の広報担当官も同じ事を答えました。そしてマスコミがカストロプ公が贄であった事は事実なのかと問うと事実である事を認めました。その瞬間、もの凄いどよめきが起きました。帝国政府が自らそれを認めるとは誰も思っていなかったのでしょう。どよめきが収まると広報担当官は
“帝国は二度とこのような悲劇、愚行を繰り返さないために政治改革を行っている。帝国は帝国臣民の持つ権利と安全を保障する。何人といえどそれを不当に犯す事は許されない。それを実現するまで改革は続くだろう”
と答えました。

同盟では大騒ぎのようです。マスコミは今日の和平条約、通商条約の締結よりも帝国が正式に謝罪した事に関心が向いています。本当の意味で帝国は変わりつつある、その事を感じているのでしょう。おそらく帝国、フェザーンでも同じような騒ぎになっていると思います。

ヴァレンシュタイン委員長は当事者ですが結構落ち着いていました。委員長によれば帝国は謝り易いのだそうです。カストロプの一件は先々帝フリードリヒ四世とリヒテンラーデ侯の治世下で起きた事、現政権を運営するブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯にとっては直接関係有りません。そして二人とも亡くなっていますし謝罪に反対しそうな貴族達はフェザーンで大半が滅びました。

“現政権が謝罪しても何処からも反対は出ません。カストロプの件を発表しても平民達からの反発は少ない、そう判断したのでしょう。帝国はかなり自信が有るようです。改革は順調に進んでいる、平民達は改革を支持している。そういう事でしょうね、良い事です”
そう言うとヴァレンシュタイン委員長は軽く笑い声を上げました。私には嬉しそうに見えました。

グリーンヒル外交委員長、アルドニン通商委員長、リッテンハイム侯による署名が終りました。三人がそれぞれ満面の笑みを浮かべて握手をしています。拍手が起きフラッシュが焚かれました。私達参列者もそれぞれ握手をしています。和平条約、通商条約の締結です、戦争は本当に終わりました。



宇宙歴 797年 6月 13日  イゼルローン国際協力都市  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン



第一条 本条約の批准書の交換と同時に締約国間の戦争状態は終結し、平和が達成される。
 一項. 締約国は相互の主権、領土保全及び政治的独立を承認しかつ尊重するものとする。
 二項. 締約国はその保証されかつ承認された国境内で相互に平和のうちに生存する権利を承認しかつ尊重するものとする。
三項. 締約国は相互に直接間接を問わず武力による威嚇又は武力の行使を控え相互間の全ての紛争を平和的手段により解決するものとする。

第二条 締約国は両国間に樹
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