第二十話 錬金術その五
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「怪人を作ったり彼等を君達に襲わせたりはね」
「しないんですね」
「絶対に」
「そう、しないよ」
間違ってもだとだ、また断言した智和だった。
「生きていてもね」
「そうなんですね」
「じゃあ先輩のお祖父さんでもない」
「そもそもお祖父さんの死はちゃんと看取ったよ」
智和はこのことは寂しい顔で言った。
「病院でね、それでお通夜の時もお葬式の時も一緒にいて」
「じゃあ火葬の時も」
「ずっと」
「骨も受け取ったよ」
そうだったというのだ。
「大体お祖父さんが生きていても何をするのか」
「どう考えてもですね」
「先輩のお祖父さんは生きておられないですか」
「絶対にないね」
智和は今の断言した。
「本当にね」
「ですか。それじゃあ」
「別の人ですね」
「うん、まあ錬金術をしている人なら」
彼の祖父以外の可能性を考えてみた、しかしこれは智和もだった。
「心当たりは。今のところだけれど」
「ないですか」
「誰も」
「少しそのことも調べてみようかな」
首を少し傾げさせてだ、智和はこうも言ったのだった。
「誰が錬金術をしていそうか」
「先輩のお祖父さんのお弟子さんですか?」
向日葵が言ってきた。
「その人達のうちで」
「そうだね、そうした人達かな」
「そうなりますか」
「うん、調べてみようかな」
こう言うのだった。
「そうした人達を」
「そうですか、じゃあ」
「お祖父さんの人間関係もね」
それもだというのだ。
「調べてね」
「そうしてですね」
「ちょっと探してみるよ」
「そうされますか」
「ここはね、まあとにかくね」
ここでまた言った智和だった。
「錬金術の可能性はあるからね」
「では」
桜も智和に言う。
「今は」
「そう、僕が調べるから」
だからだというのだった。
「君達は少し待っていてね」
「わかりました、それでは」
菫が鋭い目になって智和に答えた。
「怪人達が来ても」
「戦ってね」
「はい、生き残ります」
「そのことは頼むよ、とにかくね」
今はというのだ。
「僕が調べるから」
「それ次第で、だよな」
薊もまた言う。
「今後あたし達がどうしていくかが決まるな」
「そうなるね」
その通りだとだ、智和も薊に答える。
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