第二十話 錬金術その三
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「あの人天才科学者だったんだよな」
「沢山の特許を持ってる位のね」
「そうした人だからか」
「そう、ひょっとしたらね」
ここでまた言う裕香だった。
「あの人も錬金術してたとか」
「まあ普通に考えたらないけれどな」
「何しろ私達の周りが普通じゃないからね」
「そんな状況だからな」
「有り得るって思うわよね」
「実際にあってもな」
若しだ、智和の祖父が錬金術にも手を染めていてもというのだ。
「おかしくないよな」
「そうよね、けれど若し先輩のお祖父さんが錬金術をしていても」
「あの人もうお亡くなりになったんだよな」
「そのことは間違いないわ」
孫である智和が断言している、それならだった。
「先輩もお葬式出られたらしいし」
「だよな、それだったらな」
「不老不死とかは錬金術には」
「あるよ」
「あるの」
「そう、あるんだよこれが」
薊は裕香にこのこともはっきりと答えた。
「ちゃんとな」
「錬金術って凄いのね」
「何か最近医学とかでも不老不死とか言われてるけれどな」
「錬金術って医学の源流の一つでもあるのよね」
「だからな」
それでだというのだ。
「先輩のお祖父さんが錬金術を勉強してたら」
「その人が不老不死の可能性も」
「あるけれどちょっとおかしいだろ」
「先輩のお祖父さんが生きておられて薊ちゃん達に怪人を向けることが」
「接点ないよな」
「全然ね」
「だからな」
接点が全くない、薊達と智和の祖父には。それで薊もそのことについてはこう言うのだった。
「それはないだろ、ただな」
「ただ?」
「先輩のお祖父さんのことはこれまであまり聞いてなかったな」
「それでなのね」
「どういった人か先輩に聞くか」
「そうね、それで何かわかるかも知れないし」
「ああ、それじゃあな」
薊は裕香に言った。
「明日にでもな」
「先輩に聞いてみよう」
「そうしような」
こう話してだ、そしてだった。
実際に薊は次の日の昼に智和に彼の祖父について詳しく尋ねた、勿論他の少女達も裕香も一緒である。
学園の中庭で昼食を食べながらだ、智和は薊に問われるとサンドイッチを食べながらそのうえでこう答えた。
「科学者としてだけでなく」
「人間としてもかよ」
「立派な人だったよ、争いを好まなかったね」
「じゃあ若しもだよ」
薊はここで智和にこうも尋ねた。
「先輩のお祖父さんが錬金術を学んでいたら」
「それで賢者の石やホムンクルスの作り方を知っていたら」
「あたし達に仕掛けてくるとかな」
それにだった。
「不老不死だとかな、実は」
「いや、どれもないよ」
「ないか」
「お祖父ちゃんは確かに天才と言っていい科学者でね」
それにと言う智和だった。
「錬金術を学んでい
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