第六幕その二
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「相当に強い妖力を備える様になる」
「九尾の狐ですか」
「都で暴れたあの狐は悪い奴じゃったが大抵の九尾さん達は違うぞ」
そうしたお話をしながらです、先生達は長老さん達に案内されてまずは身体や髪を洗います。そうしながらお話をするのでした。
「京都の九尾さんも神戸の九尾さんもな」
「あっ、お会いしました」
ここでこう言ったのは先生でした。
「京都に行った時に」
「あちらの九尾さんとか」
「京都の狐さん達の長老さんですよね」
「そうじゃ、あの人ともお会いしたか」
「はい」
その通りだと答えた先生でした。
「お付き合いが出来ました」
「ううむ、先生は何かと出会いの多い方じゃな」
「そうかも知れませんね」
「それではそのうち神戸の九尾さんとお会いするじゃろう」
「そうですか」
「関西は九尾の狐も多いのじゃ」
その千年生きた狐さん達がというのです。
「京都に神戸、つまり兵庫にな」
「他の地域にもおられますか」
「奈良に大阪、彦根に和歌山に伊勢にな」
「近畿の府県全部におられますか」
「もっと言えば名古屋にもな」
そちらにもというのです。
「おるぞ」
「九尾の狐は一人だけではないですか」
「そうじゃ、しかし先生今一人と言ったが」
「はい」
「それもよいな、人間とはな」
「人の心があるならですね」
「それで人間となるからのう」
長老さんは他の狸さん達と違い人間の姿をしています、尻尾も生えていません。そのお姿で身体を洗いながらお話をするのでした。
「わし等もな」
「九尾の狐さんもですね」
「人間になりますね」
「その通りじゃ」
「そうですね、逆に人間の身体でも人の心がないと」
「人間ではなくなる」
そうなるというのです。
「そこが難しいのう」
「確かに。人間ではない人もいますね」
「人間の身体でもな」
「しかしあちらの狐さん達は」
「人間じゃったな」
「僕はそう思います」
先生はお風呂場の席に座ってシャンプーで髪の毛を洗いながら長老さんに答えました。
「あの方々は人間です」
「その通りじゃな」
「はい、しかし四国では狐さん達は」
「実はおらんのじゃ」
「おられないのですか」
「妖力を持つ狐さん達はな」
いないというのです。
「四国は狸の国なのじゃ」
「そうなのですか」
「そうじゃ、だから四国は狸の国とも言われておる」
「左様でしたか」
「その化けられる狸の数はな」
その数はといいますと。
「八百八じゃ」
「そうそう、それだけの数ですよね」
加藤さんもお身体を洗っています、動物達はもう身体を綺麗にし終えていて狸さん達と楽しくお風呂に入ってお話をしています。
その彼等を後ろにしてです、先生達は身体を洗いながらお話をするのでした。
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