第二章
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第二章
オジータは困ったことになったと思った。もうどうしようもないのだと。思い詰めた彼女はワヨタに対してそれを言うのであった。
「決まったのか?」
「ええ」
また湖の前にいた。青い湖を眺めながら話をする。
「もうすぐしたら村を出て」
「どうにもならないのか」
「私がいなくなったらそれでサラナクとは」
「そうだな。戦いが続く」
ワヨタにもそれはわかる。戦いが続けばそれだけ悲しいことが続く。どうしようもないのはわかっていた。
それでもだ。何とかしたいと思う。何としてもだ。彼はどうにかして今のこの有様を自分達の望むふうにしたいと考えていた。しかしそれはどうしようもない。戦争が続き多くの者がなくなることは彼にしても避けなくてはならないことだった。
「私諦めたくない」
オジータは湖を見ながら述べた。
「何があっても」
「しかし村は」
「ええ。けれど」
俯いてしまう。湖が見えなくなった。
「村は」
「どうしたらいいの?」
「オジータ」
ワヨタは俯いてはいない。じっと湖を見ている。そうして湖を見たまま語るのであった。
「俺は森に一人知っている」
「誰なの?」
「魔法使いだ。年老いたな」
「その人なら何とかしてくれるのかしら」
オジータはそれを聞いて彼に問うた。
「多分」
彼は言う。
「行くか?そこに」
「ええ」
オジータはワヨタのその言葉にこくりと頷いてきた。
「それなら」
「わかった。じゃあな」
二人は村の近くの森の魔法使いの家に向かった。そこに入ると小柄で暗い部屋の真ん中に蹲って何か骨を手繰っている老人を見た。
その老人は目を閉じている。見えないようだ。しかし彼はワヨタとオジータが家に入ると扉の方にゆっくりと顔を向けてきたのであった。
「ワヨタか」
「ああ」
ワヨタは彼に応える。それから彼の前にやって来た。
「そろそろ来ると思っていた」
老人はワヨタが自分の前に向かい合って座わったのを感じてから述べた。
「言いたいこともな」
「そうか」
「そこにいる娘か」
閉じられた目をオジータに向けた。見えてはいない筈なのに見えているようであった。
「綺麗な娘じゃな。残念なことじゃ」
「残念な、ですか」
「うむ」
老人はオジータに答えた。
「御主等二人はこの世では結ばれぬ。それは運命じゃ」
「運命か」
「運命はどうにもならぬ」
そう二人に述べた。
「わしの魔術でもな」
「じゃあどうしたらいいんだ?」
ワヨタは老人に問う。今の彼の言葉に顔を暗くさせていた。
「俺はオジータと一緒になりたい。オジータも俺と」
「人としては。どうにもならぬ」
「人としては、か」
「だからじゃ」
目を二人に向ける。やはり閉じられている。
「御主等
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