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小さくとも
第三章
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「ちょっと脅したらな」
「はい、泣いて拷問や虐殺は勘弁してくれと」
「普通に捕まえた時点で言うこともあるからな」
「イタリア軍の場合は」
 そこから知っていることを何でも喋る、ドイツ軍の将兵はふてぶてしい態度であからさまに反抗的で何も喋ろうとしない、日本軍はその前に死ぬまで戦い捕虜になるまでに自決してしまうので彼等は問題外である。
 だが、だ。イタリア軍はなのだ。
「あの連中は」
「そうだな、尋問するこっちが可哀想になる位だからな」
「憎めない連中ですがね」
「ははは、敵だがな」
「まあそれでも今回は」
「ちょっと粘ってるか」
「はい、そういうものしか言いません」
 士官は憎めないといったところで微笑んだがすぐに真顔に戻って艦長に報告した。
「今度の捕虜は」
「そうか、少し時間をかけて尋問するか」
「そうしましょう」
「少しきつく脅すか」
「そうしますか」
 イタリア軍ということもあり艦長も士官も安心しているところがあった、そこで急にその捕虜達の方からだった。
 艦長とだ、話をしたいと言ってきたのだった。尋問に戻った士官は彼等の申し出に目を丸くさせて言った。
「艦長に?」
「そうだ」
「そうしたいのだが」
「一体何なんだ?」
 士官は目を瞬かせて捕虜達に問うた。
「一体」
「少なくとも俺達は武器を持っていない」
「何もな」
「だから安全だ」
「そもそも反抗するつもりもない」
 捕虜達はこのことは約束した、それに実際彼等も後ろ手に拘束されている。これでは何か出来るとは思えなかった。
 それでだ、彼等は艦長と会うことになった、艦長の方もどういうことかと思ったがやはりイタリア軍ということで安心していた。
 それでだ、士官に答えた。
「いいだろう、それではな」
「はい、会われますか」
「そうしよう」
 こうしてだった、艦長は捕虜達と会うことになった。そうしてだった。
 捕虜達は艦長に会うとだ、すぐにこう言ったのだった。
「この艦はもうすぐ爆発する」
「逃げるなら早くしろ」
「俺達が爆薬を設置した」
「俺達もすぐに逃げる」
「何っ!?」
 艦長も周りにいた艦の将兵達もだ、捕虜達のその言葉にはだった。
 目を丸くさせた、だがその瞬間に。
 艦が轟音と共に大きく揺れてだ、そのうえで。
 火災が起こり艦内は大騒ぎになった、艦長のところに士官が一人飛び込んできてそのうえで報告してきた。
「爆発です、火災も起こりました!」
「損害は!?」
「今調査中です!」
「すぐに応急活動に入れ!」
 艦長は血相を変えて士官に命じた。
「消火班急げ!私も現場に行く!」
「わかりました!」
 こうしてだった、ヴァリアントの中は大騒ぎになった。戦艦は港の中で大騒ぎを起こし少しずつ傾いてい
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