第二章
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「このユエにも観光客が増えたしな」
「それでか」
「妖怪も混ざってきたか」
「若しそうだと迷惑な話だな」
「タチの悪い観光客以上にな」
そうだとだ、ゴーもユンに言葉を返す。
「迷惑な話だよ」
「そうだな。しかしこうまで誰もいないとな」
「怖い位だな」
昼の賑やかさとあまりにも対象的なこともあってだ、二人は夜の寂しさにそれを余計に感じて話すのだった。
そしてその中でだ、不意に。
二人は叫び声を聞いた、その声はベトナム語ではなかった。
その声を聞いてだ、まずユンが言った。
「英語か?」
「みたいだな、この訛りはアメリカじゃないな」
「イギリスか?」
「オーストラリアでもないな」
言葉の訛りから話した、そのうえで。
二人は顔を見合わせて頷き合ってから声がした方に向かった、すると。
そこにはもう誰もいなかった、生きている者は。一人の干からびた骸が転がっていた。その骸を見てだった。
ゴーは眉を顰めさせそのうえでユンにこう言った。
「観光客はまだあまり知らなかったみたいだな」
「そうみたいだな」
ユンも苦い顔で応える。
「どうやら」
「ああ、そうだな」
「やられたか」
「しかもな」
ここでだ、ゴーは犠牲者の骸最早骨と皮ばかりになり断末魔の恐ろしい顔のまま死んでいる者の身体に触れてみた、そのうでこうユンに言った。
「まだ温かい」
「ということはな」
「ああ、殺されてまだ時間が経っていない」
その暖かさからの言葉だ。
「血は全部抜かれてるけれどな」
「じゃあ犯人は」
「近いな」
まだだ、この場の近くにいるというのだ。
「この辺りにいるな」
「よし、じゃあな」
ユンはゴーの言葉を受けてだった、そのうえで。
すぐに腰の拳銃を抜いた、周りを見回しつつゴーに言った。
「犯人が何時来てもな」
「ああ、対抗出来る様にしないとな」
「これは本当に何者だ?」
ユンは夜の闇の中を見回しながら言った。
「どんな奴がこんなことをしたんだ」
「さてな。とりあえず人は呼んだからな」
ゴーは携帯を出した、それで助っ人である同僚達を呼んだのだ。
「後は死んだ人の亡骸を回収して」
「周りを探すか」
「犯人は絶対に近くにいる」
まだだ、だからだというのだ。
「だからな」
「そうだな、警戒しながらな」
「手掛かりがあるかも知れない」
若しくは犯人自身がまだ近くにいるかも知れないというのだ。
「人は多い方がいい」
「そうだな、じゃあな」
「人は多いに限る」
こう話してだった、そのうえで。
援軍も呼んだ、遺体は回収されてだった。
周辺は徹底的に捜査され遺体も検死された、その結果わかったことは。
署長からだ、ゴーとユンはこう話された。
「犠牲者の
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