第七章
[8]前話
「そうしたこともね」
「残しておくべきなのね」
「お母さんはそう思うわ」
「それじゃあね」
杏は女の子らしさの中に自分が絶対に消したかった男の子みたいなところも残しておこうと思った、それもまた自分なのだから。それでだった。
それをファッションにも出した、携帯のストラップにだ。
男子生徒が付ける様なものを加えた、クラスメイト達はその携帯のストラップを見て言った。
「それ彼氏から貰ったの?」
「裕次郎君からのもの?」
「ああ、私が買ったの」
自分でだとだ、杏は自分の席に座ってその携帯を手に持って見ながら答えた。
「それで付けたの」
「それあんたが前に付けてたのと同じ感じじゃない」
「それをあえてするって」
「またどういうことなのよ」
「少し考えてね」
それでだとだ、微笑んで言う杏だった。
「少し位はこういうのもいいかなってね」
「そう思ってなの」
「わざわざ自分で買って付けたの」
「そうしたのね」
「そう、まあ赤い中に黒が少しあってもね」
黒一点といった感じでだ。
「それでもいいわよね」
「赤だけだと飽きるしね」
「他の色があってもいいわね」
「そう、そうも思ったから」
付けたというのだ、杏はクラスメイト達にこう話しながらそうしてだった。その携帯のストラップを見るのだった。前の自分の趣味そのままのそれを。
女らしくある 完
2014・5・23
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