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呪われた者
第一章
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イタも母の言葉に頷いてだ、そしてだった。
 まずはじっくりと落ち着いて自分の周りを見た、すると。
 結婚したり就職したりといいことも確かにあった、子供が出来たり弟がいい学校に入学したりとだ。その他にも。
 福引に当たったりした者もいた、いいことも沢山あった。だが。
 やはり不幸もあった。両方あった。それで母にあらためて話した。
「あの、両方だけれど」
「いいことも悪いこともね」
「両方あるのよ、それもね」
「それも?」
「どっちもはっきりしてるのよ」
 こう話すのだった。
「いいことも悪いこともね」
「幸運と不運がなのね」
「そうなの、私が見ているとね」
「あんたが見ているとなの」
「そう、なるのよ」
 こう言うのだった。
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