運命は優しく…残酷だ
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「おう!」
俺もそんな子供っぽいセイバーに笑みを零しながら、食堂へと向かって行く。
三十分後。はぁ…と俺は溜め息を吐いた。なぜこんなにげんなりしているのかと言うと、原因は簡単。セイバーのせいだ。飯の時だった。騎士と言えど、人が食う量はそんなに多いもんじゃない。余程食うと言ったらよっぽど腹を空かせているのか、元々大食いの人ぐらいだろう。
しかし、セイバーはそれさえも凌駕していた。俺が何食べる?と訊けばセイバーはこれ全部とメニュー表全てを指で差して全部持ってこいだ。金銭的な都合で全部は無理だったが、相当の量は注文した。だがそれでセイバーは満足する訳でもなく挙句の果てにはお代わりを注文するという事態が発生した。
これにはさすがの俺も許容範囲外。もう止めて、破産する!と泣きつく俺だったがセイバーはそんな事関係ないと言わんばかりにこう言ったのだ。
『全然ガッツリではないではないか!もっと食うぞ!』
これには顔面蒼白の俺。アリーナでお金を稼いでからまた食わせてやると言ったところ、セイバーは簡単に了承した。
そして、現在に至る。
まさかセイバーに大食いキャラがあるとは思わなかった。次の飯の際には気を付けなくては…。これでは飯を食う度に破産するんじゃたまったもんじゃない。これからは節約だな。自身の中でそう決意した時だった。
「すみません、少しよろしいですか?」
すると後ろから声が聞こえてきた。立ち止まり、後ろを振り返ってみるとそこには金髪の男子生徒が立っていた。制服は俺が着ている物とは別でオレンジ色だ。見た目からして外人っぽいが、日本語は喋れるようだ。
「……」
そして、その男子生徒の後ろ。そこには見覚えのある顔が…。
「セイ…バー…?」
そこにはセイバーと瓜二つの容姿をした女の人がいた。しかし、すぐにその人は俺の知ってるセイバーとは違う。服装もそうだが、決定的になったのが雰囲気だ。俺の知ってるセイバーは男勝りで表情が豊かな性格の女の子だが、向こうに立っているセイバーは人形のように無表情で物静かな雰囲気だ。
「あの、なにーーー」
俺が男子生徒に声を掛けていた時だった。俺の後ろからスッと何か通り抜ける。一体何が通り抜けたかは分からなかったが、向こうのセイバーは剣を構える素振りを見せた。
その瞬間、
ドォォォォォォン!!!
突然突風が吹き荒れた。あまりにも凄まじい風に目を閉じる。一体何が起こってるんだ、と思いながら事態を把握できないでいた。突風は最初だけで少しずつ威力は収まっていく。その代わりにギリギリと金属同士が擦れ合う音が向こうから聞こえてきた。俺はゆっくりと瞼を開けると、衝撃の光景に目を疑った。
「セイバー!?」
鎧を纏ったセ
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