第十一章
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「頭脳もだ、最後にこう教えておく」
「そういうことか」
「貴様も悪くはなかったが私程ではなかった」
頭のキレ、それがというのだ。
「それが敗因だな」
「そして我等の計画も」
「失敗だ、残念だったな」
「ぬかったわ」
これが老人の最後の言葉だった、そうして。
老人の身体が崩れその場に倒れた、そこまで見届けてだった。
役は己の携帯を出してメールを送った、それでこう言った。
「これでよし、だ。一旦村に戻るか」
こう言ってだった、本郷のところに戻るのだった。こうしてイスラマバードにいた『裏』も倒してであった。
二人は仕事を終わらせた、そうしてだった。
ザッハラームとアジュラーンに村に僅かに生き残り物置の隅に隠れていた子供達を紹介してだ、そのうえで言った。
「生存者は」
「この子達だけでした」
「残念だけれど他の村人はな」
「そういうことでした」
「そうか、千人以上の犠牲者が出たか」
ザッハラームは子供達を見ながらまずは無念の声を出した。
「忌まわしい」
「ええ、けれどですね」
そのザッハラームにだ、本郷は言った。
「この子達は助かって」
「死人使いの老婆もだな」
「それとですけれど」
「役さんから話は聞いてだ」
そしてとだ、ザッハラームもこう返す。
「そして今イスラマバードからだ」
「話は来ていますね」
「この事件の真の黒幕、魔道の者だったか」
「はい、そうして」
そのうえでだというのだ、今度は役が話した。
「この国を乱そうとしていましたか」
「そうして多くの血を流させるつもりだったか」
「そうだったみたいですね」
「まさか首都にまで潜んでいたとはな」
「むしろ首都の方がです」
役はザッハラームに話した。
「本命だったみたいですね」
「その老人が一連の事件の首謀者だからか」
「間違いなくそうです」
老人の心は読んでいなかった、しかし役はそのことは察していてここで言ったのだ。
「それだけの力がありました」
「首都で死人を操る術を使われるとな」
「しかもイスラマバードは術師がいませんでしたね」
「腕が立つ者はな、そっちも今しがた連絡があり鎮圧したとこのことだが」
「ですが」
「首都でそうしたことがあれば」
まさにだった、ザッハラームは若し役が首都に向かっていなければと思い戦慄を感じながら述べていった。
「恐ろしいことになっていた」
「そうですね、本当に今回のことは」
アジュラーンもここで言う。
「貴方達のお陰です」
「いえ、仕事ですから」
当然だとだ、役はアジュラーンのその言葉に答えた。
「お気になさらずに」
「そう言って下さいますか」
「そうです」
「わかりました、それでは」
アジュラーンも頷きそれ以上礼を述べるこ
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