第七章
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扉を開けた、するとそこには。
黒いヴェールを被った小柄な老婆がそこにいた、老婆は部屋の奥にうずくまっていた。周りには誰もいない。
本郷は老婆にだ、鋭い目を向けてこう問うた。
「手前がだな」
「左様」
これが老婆の返事だった。
「わしが死人達を操っておる」
「そうだな」
「しかしじゃ」
「しかし、やっぱりそう言うか」
「読んでおったか」
「手前囮だよな」
本郷は老婆に鋭い目のまままた問うた。
「そうだよな」
「左様じゃ。ついでに言えばな」
「この国の退魔師達も動いていると聞いている」
役も老婆に言う。
「既にな」
「そうじゃ、そしてじゃ」
「それも囮か」
「わしは政府が他の国から呼んだ者達を引き止めるな」
「つまり私達をか」
「その為の囮じゃ」
それに他ならないというのだ。
「政府に退魔師達を動かさせる為のな」
「俺達やパキスタンに最初からいる退魔師が動けば」
ここでだ。、本郷はまた言った。
「わかったかのう」
「首都だな」
役は楽しげに笑う老婆を見ながら推察した。
「イスラマバードだ」
「そういうことじゃ」
「考えたものだな」
「わし等も頭があるのじゃ」
その頭で考えるからだというのだ。
「そうすればのう」
「そこまで考えていてとはな」
「幸い政府も誰も気付いておらぬ。それに」
「それに、か」
「御主達はここで死ぬ」
老婆の目がヴェールの奥で光った、目だけが赤く光る。
「わしの手によってのう」
「役さん、ここは」
本郷が役に顔を向けて言った。
「分担しますか」
「そうだな、私はな」
「はい、すぐにイスラマバードまで行けますよね」
「術、縮地法を使えばな」
その術でだというのだ。
「容易い」
「それじゃあお願いします、ただ」
「縮地法がだというのだな」
「はい、かなり力を使いますけれど」
「大丈夫だ、何とでもなる」
役は確かな声で本郷に答えた。
「ではここは君に任せた」
「はい、それじゃあ」
こうしてだった、二人はすぐに役割を分担してだった。
役は己の横に陰陽道の五つ星の陣、金と銀のそれを出した。そしてその陣の中に自ら入ってだった。
何処かへと向かった、そして。
本郷は一人になってだ、老婆に対して不敵な声でこう言った。
「手前等の計画はな」
「失敗するというのじゃな」
「ああ、役さんが首都に行ったからな」
イスラマバードにだというのだ。
「これで失敗するさ」
「言うのう」
「ついでに言うと手前もな」
老婆自身もだというのだ。
「ここでな」
「主に倒されるというのかのう」
「その通りさ、覚悟しなよ」
「言うのう、若いというのに」
「若くても力は確かだぜ」
本郷は老婆に不敵な
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