第六章
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「だからだ」
「ここは、ですね」
「動けなくしていく」
グール達をというのだ、見れば彼等は物陰から次々に出て来て二人を完全に取り囲んでいた。しかも次から次に出て来る。
「そうしていこう」
「それが一番ですね」
「この連中は敵でもな」
このことに変わりはない、しかしだった。
「主な敵ではない」
「そういうことですね」
「だからだ」
「はい、ここは」
「グールとは戦っても積極的には戦わない」
そうするというのだ。
「あくまで老婆だ」
「そういうことですね、婆さんが主な敵ですから」
「戦っても構うな」
「わかってますよ」
本郷は不敵に笑ってだ、そうしてだった。
前から来たグールの一人の腹を居合の要領で左から右に斬った、するとそのグールは倒れてそうして動かなくなった。
次のグールは袈裟懸けに右から斬った、役もまた。
札達を出し上に投げた、すると。
札達は槍になりグール達を貫いた、そのうえで。
グールを地面に串刺しにして動けなくした。身体が腐っているので槍から抜け出られそうな者もいた、しかしそのグールに。
役は剣を向けて斬った、やはり一太刀だった。
それで終わらせてだ、彼等は。
先に進む、その間もグール達は来るが。
二人はそれぞれの剣で斬ってだ、彼等を倒していった。小刀を投げ札を刃にしてそういったものでも攻撃しながらだ。
先へ先へと進む、役はその中で本郷の道案内をしていた。
そして村の中で最も大きな家の前に来てだ、本郷に言った。
「ここにだ」
「婆さんがいるんですね」
「そうだ、感じるな」
「ええ、凄い妖気ですね」
本郷にも見えていた、役にも。
その家おそらく村長の家であったのだろうがそこからだ、相当な妖気が立ち込めていた。その二人には赤紫に見える妖気を見てだった。
本郷は身構えそのうえで役に言った。
「それじゃあ今から」
「二人でな」
「そうですね、二人で入って」
「戦おう」
「そうしましょう」
「ただ、だ」
ここでだ、役は本郷にこうも言った。
「これで話は終わらないな」
「と、いいますと」
「この話には裏があるな」
「裏がですか」
「そう思う、しかしそれはだ」
「婆さんに会ってからですね」
「その時にわかる」
そうだというのだ。
「さっきは老婆の思念までわからなかったからな」
「だからですね」
「老婆に会いだ」
そうして、というのだ。
「それからだ」
「そうですね、じゃあ」
こう話してだ、そしてだった。
二人でだ、共にだった。
家の中に入った、中はかなり広かった。そして。
所々からグール達が出て来る、しかし。
二人はその彼等を倒しつつ中に進む、役はその中でだった。
本郷にだ、強い声でこ
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