第三十七話
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を捕縛する時間稼ぎらろ?」
「分かっているなら我慢しろよ。俺と同じ前線にいるんだから」
「………分かってりゅ。分かってりゅけど、わらしは武官らから戦場でしか長門に良いところを見せれらいんだ」
桜花は俺の胸に顔を埋めて、フルフルと左右に頭を振る。
………桜花マジパネェ………。
「戦えないならわらしは必要ないのか?」
「………落ち着け桜花。大分混乱してるぞ」
「でもッ!!」
あぁもう。
「桜花ッ!!」
俺は桜花を抱き締めた。
「な、長門………」
「大丈夫だ、桜花は必要だ。だからんな事を言うな」
「………うん」
桜花は力強く頷いた。
翌朝、桜花はかなり嬉しそうに連合軍の見張りをしていたのであった。
「あぁ長門。良い時に来てくれた」
「どうしたクロエ?」
前線陣地に行くとクロエは慌てていた。
「連合軍が夜中に大分落とし穴を塞いだみたいなんだ」
「何ぃ?」
「気付かなかったのか?」
「気付いてはいたが、昨日は闇夜だったから矢を射っても中々命中しなかったんだ」
ちぃ、予想外の事だな。
「連合軍は?」
「此処から約五里のところにいるみたいだ」
クロエはそう答えた。
「五里か……」
「こちらから攻めこむか?」
「それをしたら向こうの思うつぼだ」
北郷はもうこっちに大砲がある事を気づいただろうけど、何で落とし穴―――堀を埋めるだけにしているんだ?
「長門、あえて砲撃してみるのはどうだ?」
クロエがそう言ってきた………ってッ!?
「そういう事かッ!!」
「な、長門?」
クロエが不審に俺を見る。
「今すぐ真桜を呼んでくれッ!!緊急事態だッ!!」
俺はそう叫んだ。
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