第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
二人にだ、こう言った。
「さて、これからその村に案内しよう」
「あれっ、貴方がですか」
「そうしてくれるんですか」
「私が君達の今回の仕事のパートナーだからな」
それは当然だというのだ、その浅黒い口髭のある顔でだ。身体は太っているが背は二人よりもまだ高い。
「あと私のことも話していなかったな」
「そういえばそうでしたね」
「お名前は最初にお聞きしましたが」
「詳しくは話していなかった」
それで今話すというのだ。
「だから話させてもらう、いいか」
「はい、それで」
「お願いします」
「私の名前はハラーイム=ザッハラーム。パキスタン陸軍の大佐だ」
「あっ、軍の方だったんですか」
「そうでしたか」
「そうだ、参謀本部所属だ」
所属場所もだ、ザッハラームは二人に話した。
「これだけ言えばわかるな」
「はい、参謀ですね」
「それが貴方の役職ですね」
「そうなる、そしてだ」
ここでだ、もう一人出て来た。やはり口髭で浅黒い肌であ。だがザッハラームより十センチ程小柄で痩せている。そして軍服を着ている。
「車の運転等をしてくれるメフメット=アジュラーン伍長だ」
「宜しくお願いします」
伍長と階級を呼ばれた彼が敬礼して来た。
「身の回りことはお任せ下さい」
「いや、自分のことは自分でやりますから」
「私もです」
二人はこうアジュラーンに返した。
「車の運転も」
「そちらもやらせてもらいます」
「それならサポート役になるな」
ザッハラームは二人の言葉を受けてこうアジュラーンに言った。
「では伍長、そういうことでだ」
「わかりました」
アジュラーンはきびきびとした動作で敬礼しザッハラームに応えた、そうして本郷が運転する軍用の車でだった。
一行はその村に向かった、その道中でだった。
ザッハラームがだ、二人にこう話した。
「その村だが」
「はい、どうして死人ばかりになったのか」
「そのことですね」
運転する本郷と助手席にいる役が二人に応えてきた、アジュラーンはザッハラームの横に背筋を立てて座っている。
「病気ですか?」
「それとも何か他に原因が」
「原因はもうわかっている」
それは既にとだ、ザッハラームは答えた。
「村に一人の老婆が来てだ」
「ああ、その老婆が」
「死人使いですね」
「そうだ、ただその老婆の素性は全くわかっていない」
このこともだ、ザッハラームは言うのだたt。
「何もな」
「何も、ですか」
「その老婆のことは」
「そうだ、しかしその老婆が来てからだ」
「村がですね」
「変わったのですね」
「君達には村の死人達を土に戻してだ」
イスラムは土葬だ、それで死んでもその肉体が残るのだ。言うまでもなくパキスタンはイスラムの国である。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ