第六章
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「そういうことね」
「そうだったんだ。それで僕に」
「ダイアになった気分はどうかしら」
くすりと笑って我が子に問うてみせた。
「中見も外見も何もかもそうなった気分はどうかしら?」
「彼女もできたし嘘みたいだよ」
笑ってこう語った。
「本当に最高だよ」
「そうでしょうね。けれど」
「けれど?」
「お母さんもここまでなるとは思わなかったわ」
またくすりと笑って言うのだった。
「あんたがここまでよくなるなんてね」
「そうだったんだ」
「ダイアは磨き続けないと駄目よ」
これはダイアを人間と見ての言葉だった。
「わかってるわね。だから」
「これからも努力してってこと?」
「その通りよ。わかったらこれからも頑張りなさい」
あらためて自分の息子に告げた。
「いいのね」
「わかったよ。それじゃあね」
光臣は母のその言葉に頷いた。
「これからもね」
「原石は磨かれてダイアになるけれど」
母親として我が子のことを思いながらの言葉だった。
「けれど。元からダイアなのかもね。輝いていないだけで。そして磨き続けていないとダイアであり続けはしないのかしら」
こう考えるのだった。その言葉を聞く光臣の膝元ではペルシャ猫のサワディーが眠そうな顔をしていた。そうして大きく欠伸をして彼のその膝元で眠りに入った。
原石とダイア 完
2009・2・28
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