第二章
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「一週間後、ニュルンベルグに七時」
「八時にしてくれないかな、来週仕事が忙しくなりそうだから」
「わかったわ、じゃあ八時にね」
「うん、じゃあ」
ニュルンベルグというドイツ料理のレストランに八時と話してだった、そして。
私は家に帰った、私の家はマンションの二十五階にあってそこで一人で暮らしている。仕事は宝石商だ。明日は丁度店が休みだった。
その私がマンションに入ろうとするとそこにだった、彼がいた。彼は思い詰めた、それでいて明るい微笑も含ませた顔で私に言ってきた。
「実は前に合った時にね」
「ここまでついてきていたのね」
「尾行することになったけれど」
そのことは済まないといった顔での言葉だった。
「君のマンションだよね」
「ええ、そうよ」
「それで仕事は宝石商でお店のオーナーで」
そして私の名前も言ってきた。
「全部わかったよ」
「自分で調べたのね」
「探偵さんは雇わなかったよ」
彼はこのことも言った。
「自分でこの前にここまでついて行ったんだ」
「そうだったのね」
このことは気付かなかった、夜道を一人で歩いていると思っていた。後ろの気配には本当に気付かなかった。
その私に気付かせなかった彼にだ、私は尋ねた。
「それで帰りはどうしたの?」
「大変だったよ、もう終電もなくなっていたし」
「夜遅かったからね」
彼がホテルを出た時間で終電がある時間だった、実は私はそのことも計算して彼と別れた。
「それでも私についてきたの」
「そうしたんだ」
「それで帰りは」
「何とかタクシーを捕まえて」
そして彼の家まで帰ったというのだ。
「そうしたよ」
「お金かかったでしょうね」
「そんなのはどうでもいいよ」
私の目をじっと見ての言葉だ。
「もうね
「一途ね」
「馬鹿だって言わないんだね」
「言えないわね」
私は微笑んで彼に返した。
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